県全体の出穂期は平年より2日早い8月2日頃と見込まれます。生育状況や気象変動に応じた栽培管理と病害虫の適期防除を心掛けてください。
■ 良好な登熟が行われるように適切な水管理を行いましょう。
■ 斑点米カメムシ類の薬剤防除は、出穂時期に合わせて適期に行いましょう。
→病害虫発生予察情報 発生予報第5号(8月予報)(県病害虫防除所 平成29年7月27日発行)
■ 穂いもち予防は、葉いもち防除の徹底と出穂直前・穂揃期の適期防除が重要です。
→病害虫発生予察情報 発生予報第5号(8月予報)(県病害虫防除所 平成29年7月27日発行)
 
1 水稲の生育状況と出穂期の予測
移植後、6月第1半旬~第3半旬は気温・日照時間とも平年を下回っていましたが、6月第4半旬以降は気温・日照時間とも平年を上回りました。特に、7月は高温多照で経過しています(図1)。6月21日頃(平年差+7日)に梅雨入りした後、降水量は平年並ですが、7月22日~23日にかけて県内各地で記録的な降水量となっています。1ヶ月予報(仙台管区気象台,7月20日発表)によると、向こう1か月の天気は数日の周期で変わりますが、平年に比べ晴れの日が少ないですが、東北太平洋側では平年より高い見込みです。平均気温は高い確率60%、降水量は多い確率50%、日照時間は平年並または少ない確率ともに40%と予想されています。
県全体平均の幼穂形成期は、7月12日(平年差±0日)と平年並であり、出穂期は平年より2日早い8月2日頃と見込まれます(表1)。水稲の生育ステージをよく観察して、適期管理に努めましょう。





2 登熟を低下させない水管理
気象の変化に的確に対応し、登熟を低下させない水管理を心掛けましょう。

(1)出穂後の水管理
出穂・開花期間中は水を多く必要とする時期です。土壌水分が不足しないようにしてください。開花終了後は間断潅がいを行い、田面が濡れた状態を維持しながら、根の活力を保つよう管理してください。

(2)気温の高い日が続く場合の水管理(おおむね日中30℃以上、夜間23℃以上の日)
穂揃い後、登熟初期にかけて気温が30℃以上で夜温も高い場合は、水稲の登熟不良や玄米品質の低下(白未熟粒の発生)を招く恐れが高くなりますので、常時湛水とせず間断潅がいを行い、根の活力維持と地温の低下に努めてください。
なお、農業用ダム等で貯水量が不足しそうな場合には、地元の土地改良区等と協議のうえ、効率的に水管理を実施してください。

(3)落水時期
近年、地耐力を高めて収穫作業を容易にするため、早期から落水して田面が乾きすぎている圃場がみられます。
早期に落水して田面が乾くと、腹白粒の増加や玄米千粒重の低下、強制登熟による胴割れ米等の発生要因となりますので、以下を目安に落水管理を行ってください。(図2,3)
・排水が悪く地く水位が高い水田・・・・・出穂後30~35日頃
・排水が良い水田・・・・・・・・・・・・出穂後35~40日頃

3 病害虫防除対策
(1)斑点米カメムシ類(斑点米の原因となるカスミカメムシ類)
斑点米カメムシ類の発生時期(加害時期)は「平年並」、発生量は「多」と予想されます。
(病害虫発生予察情報 発生予報第5号(8月予報)(県病害虫防除所 平成29年7月27日発行))
ア 薬剤防除
水田周辺に牧草地などの斑点米カメムシ類の発生源がある場合や、例年斑点米の発生が多い場合は、畦畔を含めて薬剤防除を行ってください。また斑点米カメムシ類の発生が8月末頃まで長引く場合も考えられますので、発生予報などに留意して追加防除の必要性についても検討してください。
 (ア)粉剤・乳剤を使用する場合
◆ 基本防除・・・・穂揃い7日後に1回防除
◆ 多発条件・・・・穂揃い7日後と14日後の2回防除
・水田付近に出穂開花中のイネ科植物(特にイタリアンライグラス)を含んだ牧草地、雑草の繁茂地等があり、斑点米    カメムシ類の発生密度が高いところ。
・水田内にノビエ、イヌホタルイ、シズイなどの雑草が多発しているところ。
・割れ籾の多い品種(あきたこまち等)。
 (イ)粒剤を使用する場合(※斑点米カメムシ類の発生密度や水田雑草が多い水田では使用しない)
◆ 穂揃期~穂揃い7日後
・湛水状態で均一に散布し、4~5日間は湛水状態を保ち落水やかけ流しはしない。
イ 耕種的防除
水稲出穂期以降に畦畔の草刈りを行う場合は、穂揃い1週間後の薬剤散布後、おおむね1週間以内(残効期間内)に行ってください。



(2)穂いもち
いもち病の発生量は「やや多」と予想されます。
(病害虫発生予察情報 発生予報第5号(8月予報)(県病害虫防除所 平成29年7月27日発行))
7月下旬の葉いもち病の発生圃場率は平年並ですが、7月後半もいもち病菌の感染に好適な条件が出現する見込みです。既に葉いもちの発生が見られていますので、圃場を良く観察し、早期発見に努めてください。
また7月下旬に浸冠水した圃場では、病害に対する抵抗力が低下している可能性があります。穂いもち防除は、発病が見えてからでは手遅れになるので、以下により防除してください。

ア 穂いもち予防粒剤を使用した場合
上位葉で葉いもちが多発しているところ、出穂後に降雨が続いたり、低温等で出穂~登熟期間が長引く場合には、出穂直前~穂揃い1週間後まで7~10日間隔で茎葉散布による追加防除を実施します。

イ 茎葉散布する場合(穂いもち予防粒剤を使用していない場合)
出穂直前および穂揃期の2回防除を徹底します。
なお、葉いもち多発時や低温等で出穂から登熟期間が長引く場合は、出穂直前~穂揃い1週間後まで7~10日間隔で追加防除を実施します。

4 異品種混入の防止対策
現在、解析技術の向上により一粒の米からでも品種の判定ができます。
異品種が混入すると、品種名の表示ができず、JAS法表示違反となり産地全体のイメージダウンを招きます。産地の信頼確保のためにも異品種の混入を防ぎましょう。

(1)出穂期間中の防止対策
出穂が極端に早い、遅い株は異品種の恐れがあります。株ごと抜き取ってください。

(2)収穫、乾燥、調製時の防止対策
機械や施設内には、前年に収穫した籾等が残っている場合があります。収穫が始まるまでに、余裕を持って機械や施設の点検・清掃を行ってください。

5 直播栽培(鉄コーティング湛水直播栽培)の本田管理
直播栽培の出芽後の本田管理作業は、基本的には移植栽培に準じますが、出穂期や成熟期などの生育ステージが移植栽培より10日~2週間程度遅くなるため、圃場を十分観察し、今後は、病害虫の発生(特にいもち病・斑点米カメムシ類)に注意します。

印刷はこちら→suitou-5(PDF650KB)