◆ 大豆  大豆は7月下旬から開花期を迎えます。圃場の様子を確認し、適切な病害虫・雑草防除を行いましょう。
◆ 小麦  次年度の作付けに向け、早めに圃場準備を進めましょう。

大豆


1 生育概況
生育初期は低温の影響で生育がやや遅れていましたが、現在、大豆の生育は平年並となっています。
播種時期が遅れた圃場や湿害が見られるところでは、生育量が小さく、雑草害も顕著になってきています。

2 排水対策の確認とうね間かん水
(1)排水対策
集中豪雨による冠水・浸水被害や湿害を避けるため、畦溝と排水溝を連結するとともに、明渠や水尻にゴミなどの詰まりや崩れがないか確認しましょう。また、排水口(フリードレン下部)の高さを確認して、高い場合はしっかり掘り下げて、圃場内排水を促進するよう努めましょう。
なお、茎疫病(写真1)の発生抑制のためには、圃場排水を改善するのが最も効果的です。

(2)開花期以降の水管理
開花期を過ぎると大豆は多量の水分を必要とし、乾燥が続くと減収することもあります。干ばつ時には明渠やうね間を利用してかん水を行うことも考えましょう。

実施の目安:
・晴天が1週間以上続き、土が白く乾燥している。
・日中に葉が立ち、半分以上の葉で裏面が見られる。

実施出来る条件:
①水回りが良好であること(培土などでうね間があること、滞水部分がないこと等)
②漏水が小さいこと
③排水溝が設置されていること

具体的な方法
①朝夕の涼しい時間帯に、水を圃場へ入れる。(水回りの状況を確認、暗渠は閉じること!)
②うね間に水が行き渡ったら速やかに排水する。(滞水すると湿害が発生します。)
③区画が大きい場合は数日に分けて徐々にかん水を行う

3 病害虫防除
(1)ウコンノメイガ
ウコンノメイガの成虫は葉の裏に産卵し、ふ化した幼虫が葉を巻いて食害します。圃場をよく観察し、多発の徴候がみられたら、すぐに防除を行いましょう。また、ウコンノメイガは、葉色の濃い品種や生育が旺盛な圃場で多発する傾向がありますので、重点的に観察しましょう。
〇防除の目安
7月第6半旬に一茎あたりの葉巻が3個以上見られる場合は防除が必要ですので、8月5日頃までに薬剤防除を実施しましょう。

(2)マメシンクイガ
8~9月に羽化した成虫が粒の肥大が始まった大豆の莢に1粒ずつ産卵し、ふ化した幼虫が子実を食害して、収量・品質を低下させます。
防除適期は産卵盛期となりますので、この時期に防除を行うことが基本になります(有機リン剤)。
ただし、合成ピレスロイド剤およびジアミド剤は上記より1半旬早めが適期となります。マメシンクイガは日長に反応して羽化するため、発生時期の年次変動は少ないという特徴があります。



注)県北地域は表1より半旬早い8月第6半旬が産卵盛期となるので防除時期もそれぞれ半旬早まります。
* マメシンクイガは、連作を繰り返すと発生密度が徐々に高まり被害が多くなります。被害程度が大きい圃場は水稲などに復元するなどの対策を推奨します。
* マメシンクイガと紫斑病は同時防除が可能です(紫斑病の項も参考にしてください)。

(3)紫斑病
8月下旬以降で気温が20℃付近にあり、降雨が続いた場合に感染します。若莢期~子実肥大期に薬剤による防除を行いましょう。薬剤が莢によく付着するように散布しましょう。

*マメシンクイガと紫斑病の同時防除を行う場合は以下の点について注意して下さい。
マメシンクイガの防除時期は年次変動が比較的小さいのに対し、紫斑病の防除適期である若莢期~子実肥大期は、天候などの影響で変動することがあります。また、繁茂状況や降雨の状況により追加防除が必要になる場合もあります。このため、マメシンクイガの防除適期と紫斑病の防除適期が重なるかを確認し、薬剤の特徴などを総合的に勘案した上で実施の適否あるいは防除時期・薬剤などを決定してください。
防除適期
1回防除の場合:開花期から30日後頃
2回防除の場合:開花期から20~40日後頃に2回散布(散布間隔は10日程度)
使用上の注意点
2回散布の場合、耐性菌の発生を防ぐため、1回目に用いる薬剤と2回目に用いる薬剤は同一薬剤や同系薬剤を避ける。
・ストロビルリン系薬剤は耐性菌の発生リスクが高いので、2~3年に1回の使用にとどめましょう。



4 雑草対策
大豆の生育期に使用できる薬剤は、全面散布できる茎葉処理剤と、吊り下げノズルを使用して散布する畦間処理剤、畦間・株間処理剤があります。雑草の種類や大きさを確認して効果的に使用しましょう。
近年帰化アサガオ類やアレチウリ等の難防除雑草が県内でも増加傾向にあります。これらのうち、つる性の難防除雑草はつるが生じて巻き付き始めると特に防除が難しくなるので、早め(お盆前を目安にしてください)に非選択性除草剤のスポット散布あるいは手取り除草などで対策を行いましょう。これら難防除雑草の種子寿命は長く、水田に戻しても直ちに死滅しないものがほとんどです。また、飼料用作物圃場で問題になっているイチビなどは種子産生量が非常に多く、広範囲に被害をもたらします。一旦繁茂を許すと、長期にわたって被害をもたらしますので厳重に注意してください。
これら難防除帰化雑草の多くは、コンバイン・トラクター等の農機具に付着して拡散します。大豆作業・収穫を行う際は、雑草被害圃場から始めるとあっという間に圃場全体に広がります。このため、収穫の順番をよく検討したり、圃場を移動する際には農機具の洗浄等を行うなどの対策を行ってください。


小麦


1 小麦栽培を意識した水稲管理
水稲収穫後にスムーズに麦の播種が行えるよう、各種の準備を早めに行いましょう。

〇小麦作付予定の水稲管理
・水稲の出穂・開花期は大量に水を必要とするので、田面が露出しないよう湛水管理(浅水でOK)を行います。
・開花後の水管理は田面が湿っている程度とし、湛水状態にする必要はありません。
・水稲は適期収穫を行い、収穫後はすぐに溝掘り(額縁明渠)等排水対策を実施します。

2 連作圃場での排水対策
連作圃場あるいは固定転作圃場でも排水対策は必須です。連作圃場では水稲跡の作付に比べ、一般に排水対策が軽視されがちですが、排水口や明渠が土や草で詰まっている状況が散見されます。明渠が排水口につながっているか確認する、排水路の点検・補修を行う、明渠や排水口周辺の草刈りを徹底する、等の対策を行いましょう。
また、畦畔や額縁明渠の雑草対策(非選択性除草剤の散布)を行い、圃場内部への雑草の侵入を防ぎましょう。

3 土壌改良
収量アップ、品質向上のために土づくりは必須です。
一般に連作圃場では連作年数に比例して地力が低下します。小麦の作付は、水稲とのブロックローテーションあるいは過度の連作を避けた畑輪作の実施が理想的です。しかし、こうした作付体系が難しい場合でも、堆肥の投入や緑肥を利用して積極的に土づくりを行うことが求められます。特に連作圃場や転作固定圃場では石灰・苦土が減少し、酸性化が進んでいる圃場が目立ちます
水稲跡の小麦作では連作圃場とは異なり作業期間の制約などから、土壌改良資材や堆肥等の施用が難しく、土壌環境や地力が低下しがちです。長期的な改良計画を策定した上で、ローテーションの中で土壌改良・地力向上に取り組みましょう。

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