◆ 全 般  高温対策としてこまめな潅水管理を行うとともに、作業時は水分補給と休憩をとり熱中症にならないよう気をつけましょう。
◆ ハウス果菜類  高温対策、草勢維持、病害虫防除を徹底しましょう。
◆ 露地きゅうり  整枝・摘葉と重要病害に対する初期防除を徹底しましょう。
◆ ほうれんそう  天候に対応した遮光管理と適切な潅水管理をしましょう。
◆ 露地葉茎菜類  適期作業・病害虫防除を徹底しましょう。

1 生育概況
(1) 雨よけトマトは現在3~4段目中心の収穫となっています。高温の影響で、草勢の低下や生長点の萎れ、果実の早期白熟の発生が見られています。病害虫では青枯病、かいよう病等の萎凋性病害が散見されるほか、葉かび病、アザミウマ類、コナジラミ類の発生も見られます。
(2) ハウスピーマン、露地ピーマンともに6月上旬の低温・日照不足による生育の遅れは一部を除き回復し、概ね順調な生育となっています。一方で、高温による尻腐れ果や日焼け果の発生が広く見られています。病害虫ではアザミウマ類やヨトウムシ、アブラムシ類、タバコガ類等の害虫の発生が広く見られるほか、斑点病も散見されます。
(3) 半促成きゅうりは概ね収穫終盤となり、抑制きゅうりへの切り替えや定植準備が行われています。露地きゅうりは低温・日照不足の影響による生育の遅れが概ね回復し、収穫量も増加してきております。病害虫ではべと病、炭疽病、うどんこ病等が発生しているほか、アブラムシ類やアザミウマ類の発生が見られます。
(4) 雨よけほうれんそうは、生育抑制、枯死などの高温障害が発生し、萎凋病やアブラムシ類、ウリハムシモドキ等の発生が見られます。
(5) キャベツの定植作業は順次行われており、一部圃場で高温乾燥により苗の枯死が見られましたが、生育は概ね順調です。病害虫では、軟腐病や株腐病、コナガの発生が見られます。
(6) レタスは、高温による日焼けの発生が見られますが、生育は概ね順調です。病害虫では、軟腐病、べと病が増加しており、オオタバコガやウリハムシモドキの発生も見られます。
(7) ねぎの生育は概ね平年並ですが、一部で高温乾燥による生育停滞や葉先枯れの発生が見られます。病害虫では、べと病、黒斑病、葉枯病、さび病、アザミウマ類、ハモグリバエ類等の被害が見られ、一部では多発しているものもあります。
(8)7月22日~23日にかけての大雨による被害や影響については、現在調査中です。

2 技術対策
(1)全般
現在、非常に暑い日が続いています。梅雨明け以降も高温が続く恐れがありますので、施設野菜では高温対策を徹底するとともに、施設・露地ともこまめな潅水管理や通路散水等により草勢維持を図りましょう。
また、作業者も適宜休憩をとり水分補給を十分に行い、熱中症にかからないよう気をつけましょう。

(2)ハウス果菜類の管理
トマト、ピーマンなどのハウス果菜類では最盛期を迎え、生育が旺盛となり、風通しが不良になってきますので、整枝や摘葉、誘引作業を遅れないように実施するとともに、病害虫防除では、くん煙剤の利用など効率的な防除を行います。
高温対策として換気等を積極的に行い、生育適温を超えない範囲でハウス内気温を維持しましょう。夕方には地表面が乾く程度の通路散水を行うことも、ハウス内気温や地温を下げるのに有効です。日中にハウス内気温が十分に下がらないと、夜間の呼吸消耗により草勢低下がさらに助長されるので、暑さが続く場合は高温対策をしっかり行って下さい。なお、収穫量、気象条件などを考慮した追肥方法を選択し、草勢の維持・回復を図り、収穫最盛期を乗り切ります(図1、図2参照)。
また、今後タバコガ類の発生が多くなってきますので、予察情報等を参考に薬剤散布を行うようにしましょう。



ア 雨よけトマト
桃太郎系品種は、第5~6花房の着果期以降に草勢が低下しやすく、草勢が低下すると回復が難しくなるので、こまめな追肥と潅水で草勢の維持を図りましょう。この時期は、すじ腐れ果、空洞果などの発生が多くなりますが、窒素過多や高温、多湿にならないようにするとともに、肥培管理が重要となります。また、収穫後の花房下の葉は摘葉し、通風を良好にします。
なお、葉かび病抵抗性遺伝子Cf-9を有する品種(桃太郎セレクト、CF桃太郎はるかなど)であっても、定期的に防除を行うようにしてください。
また、萎凋性病害も増加傾向です。しおれが発生した場合は最寄りの指導機関に診断を依頼し、原因を特定した上で次年度対策を講じて下さい。

イ ハウスピーマン
収穫の終わった枝や主枝の内側が混み合い光不足になる場合は、不要な枝を摘み内側に光が十分当たるようにします。
また、果肉の薄い品種では特に急激な高温になると尻腐れ果が発生しやすくなるので、ハウスの換気効率を高めるとともに通路やマルチ上にワラを敷いたり潅水を積極的に行うなど、地温を低下させ根からの水分吸収を促進します。
尻腐れ果はカルシウム不足が原因ですが、窒素肥料成分が濃くなると相対的にカルシウムの吸収が阻害されますので、暑い時期の追肥は通常よりやや薄い濃度で行うこと、予防的対応としてカルシウム剤の葉面散布等も効果的です。

(3)露地きゅうりの管理
収穫量の増加に伴い、草勢維持と病害虫の蔓延防止が重要な管理となります。摘葉を基本に整枝は控え目とし、曲がり果や尻太り果などを摘果しつつ、図1を参考にしながら追肥を実施して草勢の維持・回復を図ります。側枝の発生が鈍い場合は、不良果を早めに摘果するとともに強めの整枝を控え、生長点を残して根張りを促進してください。
また、高温乾燥が続くと草勢低下につながりますので、潅水装置を備えている圃場では少量多回数の潅水を基本に、土壌水分の変動を少なくする潅水管理に心がけます。潅水装置がない圃場では敷きわら等で土壌水分の保持を図ります。
摘葉は、主枝葉を中心に病葉、老化葉のほかに新しい側枝を覆っている葉を中心に行い、側枝の発生を促します。整枝は、それぞれの仕立て法に応じて行いますが、草勢低下時は半放任または放任管理とします。

薬剤防除は、褐斑病、炭そ病、べと病を重点とし、これら病害に効果のある薬剤を選択して予防散布に努めます。なお、褐斑病や炭そ病の発病が見られる場合は、病葉を摘葉した後で効果の高い薬剤を選択して散布します。
また、収穫最盛期を迎え曇雨天後に急激な晴天になると「しおれ」症状が発生することが予想されます。病害(ホモプシス根腐病(写真1)、つる枯病等)による場合と生理的な原因による場合がありますので、「しおれ」症状が発生した場合は最寄りの指導機関に診断を依頼してください。

(4)葉茎菜類の管理
ア 雨よけほうれんそう
曇雨天後の強い日差しにより葉がしおれたり、葉焼けを生じる場合があります。特に生育初期の地際部は高温障害を受けやすいので、遮光資材等を活用しましょう。
また、土壌が乾燥すると、ほうれんそうの生育が停滞するため、播種前の潅水はムラなく行い、圃場の乾燥状態に応じて生育中の潅水を行いましょう。
生育中の潅水を行う場合は、本葉3~4枚目以降とし、涼しい時間帯に潅水します(写真2)。ただし、まとまった量の潅水(5~10mm)は収穫3~4日前までとし、その後は土壌表面が湿る(葉水)程度とします。なお、過度の潅水はトロケやべと病の発生を助長するので、注意します。
例年、萎凋病等の土壌病害により減収する圃場では、土壌消毒を実施し、生産の安定化を図りましょう。また、萎凋病対策として、耐病性品種や転炉スラグ技術の導入、適正な施肥や良質な有機物の施用、残さの処理等総合的な対策を実施しましょう。
アザミウマ類等の害虫が発生している場合は、効果の高い薬剤で防除を実施しましょう。

イ キャベツ・レタス
気温の上昇に伴い、軟腐病等の腐敗性病害の発生に注意が必要となります。葉の裏や株元まで十分薬液が届くように防除しましょう。
害虫の発生にも注意し、定植時から防除を行いましょう。オオタバコガは特に発生初期ならびに結球始期からの防除を徹底し、また、8月以降の再びヨトウガが発生する時期には、計画的な防除を心がけてください。なお、キャベツでは、7月中旬のコナガの産卵・幼虫の発生量が平年より多くなっていますので、圃場をよく観察し、薬剤選択に注意して防除しましょう。
多雨等により圃場に滞水した場合は、畦間の中耕を行って土壌中に空気を送り、根の活性化に努め、必要に応じて液肥を潅注または葉面散布し、草勢回復を促します。
これから収穫する作型では、天候の変動により、裂球や生理障害の発生が多くなりますので、適期収穫に努め、収穫率の低下を防ぎましょう。収穫終了後の圃場はできるだけ速やかに整理し、病害虫の発生源とならないように注意しましょう。

ウ ねぎ
軟腐病、黒斑病の重点防除時期になるので、収穫前日数に注意しながら定期的に防除を実施しましょう。
土寄せは生育状況や天候を見ながら行い、葉鞘径を肥大させるため、無理な土寄せは行わないようにしましょう。
なお、作型や品種によっては、最終土寄せを行う時期となりますが、最終土寄せ時に丁寧に土入れを行わないと、軟白部と葉の色の境が不鮮明な「ボケ」となりますので、計画的な作業、適期収穫を心がけましょう。

エ アスパラガス
茎枯病や斑点病等の病害やアザミウマ類の発生が懸念されますので、定期的に薬剤防除するとともに、立茎栽培では、株の消耗や茎葉の繁茂を防ぐため、萌芽してくる若茎は弱小茎や曲がった茎も含めて刈り取ります。
促成アスパラガスの伏せ込み用根株への追肥は、生育後半まで肥料が効いている状態では、円滑な養分転流が妨げられる恐れがあるので、8月上旬までには終了させましょう。また、普通栽培・立茎栽培と同様に、病害虫の発生には十分注意し、必要に応じて防除しましょう。



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