◆ 寒締めほうれんそう 生育量や品質を確保するための温度管理
◆ 促成アスパラガス 萌芽開始後の温度・潅水管理による収量向上
◆ 冬春どり葉根菜類(無加温ハウス) 被覆資材の利用や換気等による収量確保
◆ 雪害対策  ハウスの補修や補強、効果的な除雪を行い、倒壊等を防止

1 技術対策
(1)寒締めほうれんそう
ハウス栽培では、収穫時の葉長が15~28cmくらいまでと、幅が広いので、適切な温度管理を行い、出荷できる大きさまで生育させます。ほぼ収穫できる葉長となった時点で、ハウスの入口やサイドビニールを開放し、1週間程度本格的に寒気にさらして最終的な寒締めを実施します。
収穫は、平たく開張したもので、最大葉の葉柄の絞り汁のBrix糖度が8%以上になっていることを確認してから行いましょう。

(2)促成アスパラガス
萌芽開始後は、地温15~16℃、トンネル内温度を日中25℃以下、夜間10℃以上を目標に管理しましょう。また、できるだけ太陽光に当てて着色を促します。
萌芽が始まると、若茎の伸長に水分が多く利用されるので、伏せ込み床の乾き具合に応じて、晴天の午前中に気温が上昇してから潅水を行いましょう。なお、潅水量が多すぎると根やりん芽の腐敗につながるので、伏せ込み床の水分状態を適正に管理する必要があります。
収穫は、規格に達した若茎から順次収穫を行います。茎の長さが30cm程度に伸びてから収穫し、先端から27cmに切り揃えます。曲がりや開き、細茎などの販売不能な茎は、エネルギーの消耗を防ぐため、早めに切り取って処分しましょう。

(3)冬春どり葉根菜類(無加温ハウス)
厳寒期の生育促進と凍害防止のため、カーテン、トンネル、不織布等の被覆資材を利用して保温に努めましょう。ただし、日照時間が少ない時期なので、光線透過率の高い被覆資材を使用し、品質を高める必要があります。
湿度が高まると、べと病や灰色かび病等が多くなるので、晴れの日中はできるだけ換気を行い、マルチ等を利用して、湿度を下げましょう。
潅水は耕起前に十分行なっていれば必要ありませんが、圃場が乾燥し、葉がしおれる等明らかに水分不足が見られる場合、晴天日の午前中に実施しましょう。

近年、冬春どり葉菜類(しゅぎんく、にら等)で農薬残留基準超過事例が相次いでいます。農薬登録情報・使用方法の確認、タンク・ノズル・ホースの丁寧な洗浄等、基本事項を徹底しましょう。

(4)雪害対策
天気予報や仙台管区気象台が発表する季節予報等に注意しながら、雪害を未然に防ぐように気を付けましょう。
【事前対策】
①ビニール等被覆資材の破損部を補修し、風の吹込みによる破損を避けましょう。
② 筋かい直管は、各アーチパイプを針金等で固定し、下端部は必ず地面に30㎝以上埋め込みます(図1)。既存の筋かいも台風等で緩んでいることがありますので、きっちりと固定されているか確認します。
③ ハウス屋根中央部が陥没しないように、中柱(補強用の支柱)をできるだけ細かな間隔で立てます(図2)。中柱の上部は屋根面の直管パイプと固定し、下部は積雪の重みで土壌に沈み込まないように受け板(板、ブロック等)を敷いておきます。受け板は重みで割れることがありますので、頑丈なものを使用してください。なお、中央部にうねがあり、まっすぐに中柱が立てられない場合は、図3のようにする方法もあります。



【積雪時の対策】
① 積もっているハウス側面の雪を遅れることなく除雪しましょう。ハウスの雪下ろしを行う場合、あらかじめハウスの周囲、特に両サイドの雪を取り除いてから、上部に溜まった雪を下ろし、再度ハウス側面の雪を取り除きます。
② 施設内の温度を高め、積雪の自然落下を促進しましょう。
・暖房機が設置されている場合、運転して室内温度を上げます。
・暖房機が無い場合、緊急に暖房器具(コンロ、石油ストーブ等)を入れて融雪を促します。
・ハウス内でカーテンを使用している場合、カーテンを開いて、屋根面からの放熱量を増やして融雪を促します。
③ 除雪作業が追いつかない場合の緊急対策
・積雪による重み、側面からの圧力等によるハウス骨材の損傷を防止するため、ビニールを破り、雪をハウスの内部に入れます。この時、事故防止のため作業は複数で行いましょう。
・ハウスの倒壊が予測される場合、ハウス内への立ち入りを極力避け、事故を防ぎましょう。

【その他】
ハウス栽培で停電になった場合、暖房機を稼動できるように発電機を確保するか、石油ストーブ等を準備して凍害を防ぐようにしましょう。



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