登熟状況は、登熟調査(9月1日時点)の結果から平年より5~7日程度遅れています。
また、刈取り始めの目安となる日(出穂後、日平均気温の積算温度が950℃に到達する日)は平年並~遅いと予想されます。
しかし刈取適期は、出穂時期や不稔の発生割合により異なりますので、水稲を良く観察して適期に刈取ましょう。
収穫時期は日没が早まりますので、余裕のある作業計画で、適期に収穫しましょう。特に今年は収穫期間が長くなることが予想されますので、計画的に作業を進めましょう。
◆ コンバインや乾燥調製施設の点検、整備はしっかり行いましょう。
 品質低下を防止するため、完全落水は出穂後30~35日後としましょう。
 刈取り適期の判定は、黄化籾割合で80~90%を目安にします。不稔発生割合で異なりますので、稲穂をよく見て確認してください。
 籾の乾燥は二段乾燥を心がけ、玄米水分15%以下に仕上げましょう。
 次年度、品種の切り替えを予定している場合は、今秋からの異品種混入(コンタミ)対策を徹底しましょう。

1 生育状況
県全体の出穂期(盛期)は8月6日(平年差±0日)でした。しかし、8月が低温日照不足で経過した影響により、東部・北部では出穂が遅れ、終期は県全体では平年よりも2日遅れ、東部・北部では3日遅くなりました。(表1)
また登熟状況は、低温日照不足の影響により、登熟調査(9月1日時点)の結果から平年より5~7日程度遅れています。



2 気象経過
8月は低温日照不足で経過しており、特に第2半旬~第4半旬は気温・日照時間とも平年を大幅に下回りました(図1)。
東北地方の1ヶ月予報(仙台管区気象台8月31日発表)では、平均気温は平年並、降水量は平年より多く、日照時間は平年並の見込みです。



3 玄米品質を低下させない水管理
(1)登熟期の水管理
落水が早すぎると収量や品質の低下につながります。排水が悪く地下水位が高い水田では、出穂30~35日頃、排水のよい水田では出穂35~40日頃を目安に落水しましょう。

(2)台風や大雨時の水管理
台風、大雨等で浸水や冠水の恐れがあるときは、水尻を開けて排水を促します。浸水や冠水した場合には、速やかに排水するように努めてください。特に、長時間冠水すると登熟に影響しますので、少しでも早く排水して水稲の葉先を出すことが重要となります。
台風通過後は、稲体が水分を失いやすい状態にあるため、田面を急激に干さないよう間断潅がいしましょう。

4 適期刈取りの励行
本年の出穂期(盛期)は平年並ですが、8月の低温日照不足の影響により、刈取時期が平年並~遅くなることが予想されます。出穂時期や不稔発生の割合により刈取適期は異なりますので、稲穂を良く観察して刈取作業を進めましょう。
また今年も新米の安全性を確認するための放射性物質調査を全県で実施します。カントリーエレベーター、ライスセンターをご利用の方は施設の稼働時期を確認のうえ刈取り計画をたてましょう。

(1)刈取り適期の予測
刈取り適期は出穂期からの日平均気温の積算による方法で予測します。品種ごとに刈取り適期の目安となる積算気温が定められています(表2)。



(2)刈取り適期の判断
登熟積算気温が950℃に近づいたら、次の手順で判断してください。
ア.黄化籾割合のチェック
黄化籾割合80~90%とは、1穂の籾の80~90%の籾が黄色になり、穂の基部の籾が10%程度緑色が残っている頃です。
イ.テスト籾すりによるチェック
黄化籾割合が80~90%に達したら、試験的に数穂を籾すりしてみましょう。
積算気温による刈取り適期の判断は、栽培法や日照時間によりズレが生じる場合がありますので、実際の登熟状態を確認してください。
登熟期間中の日照時間は登熟日数に影響を与え、その程度は地域によって大きく異なります(表4)。



不稔籾、褐変籾、割籾の発生が多いほど早い時期から着色粒が発生するので、早刈りが必要になります(表5)。



着色粒は、出穂後の日平均積算気温が750℃頃から出始めますので、こうした圃場では随時テスト籾摺を行い刈取り適期を判定する必要があります(表6)。



(3)収穫作業の留意点
ア.籾水分の確認
コンバイン収穫では、作業開始前に水分計で籾の水分状態が20~25%にあることを確認します。また、コンバイン収穫した生籾は放置せず、速やかに乾燥調製施設へ搬入しましょう。
イ.水田内で出穂のばらつきが大きい場合
1枚の圃場内で出穂のばらつきが見られ、水口などで登熟が大幅に遅れているような場所は、刈分けして品質低下を避けてください。
ウ.倒伏した場合
台風や大雨等により倒伏した場合は刈分けを行い、土が付着した籾や青未熟粒等の混入を避けてください。

5 乾燥・調製の留意点
仕上げ水分は15.0%以下を徹底!!
(1)胴割れ粒の発生防止
火力乾燥においては、1時間あたりの水分減少率(毎時乾減率)を0.8%以下とします。これ以上乾燥速度を上げると胴割れ粒が発生しますので、急激な乾燥を避け、また過乾燥にならないよう注意が必要です。
4%以上の水分差がある籾を一緒に張り込むことは避けます。また、籾水分18%の時に一旦乾燥機を止めて放冷・循環常温通風し、その後仕上げ乾燥して籾水分の均質化を図ります(二段乾燥)。自然乾燥においては、掛け替え等で乾燥促進に努め、乾燥期間は2週間以内としてください。

(2)籾すり時の肌ずれ、脱ぷの防止
玄米水分15.0%以下の適正水分で籾すりを行います。(肌ずれ米の防止)
ゴムロールのすき間は、籾の厚さの約1/2(0.5~1.2mm)が標準です。
脱ぷ率は条件により変化するので、85%程度になるようロール間隔を調整します。

(3)ライスグレーダー
出荷製品用は、LL(1.9mm)の篩い目使用を基本とし、整粒歩合80%以上を目指しましょう。

6 異品種混入の防止
産地から出荷する米穀は「表示銘柄以外の混入のない米」であることが必須です。
異品種混入(コンタミ)が発生すると、品種名の表示ができなることに加え、産地全体のイメージダウンとなります。機械や施設の点検・清掃を徹底しましょう。
コンバイン、運搬機、乾燥機や籾摺機など収穫・乾燥・調製機械や施設内には、前年の籾等が残留している可能性がありますので、これらの機械や施設の点検・清掃を十分に行い、異品種混入を未然に防止しましょう。

7 農作業安全
収穫時期は日没が早まり、例年農作業事故の発生が多くなります。余裕をもった作業計画を作成し、農作業安全に努めましょう。また、作業機に反射シールを貼るなどして交通事故を防止しましょう。

8 直播栽培(鉄コーティング種子による湛水表面播種栽培)の適期刈取り
直播栽培は、移植栽培に比べて出穂期や成熟期などの生育ステージが10日~2週間程度遅くなります。今年はその差が例年よりも大きくなることが予想されます。実際に稲穂をよく観察して適期に収穫しましょう。
倒伏した場合は刈分けを行い、土が付着した籾や青未熟粒等の混入を避けましょう。



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