◆ 小麦  小麦の刈取りは6月下旬から県中南部を皮切りにスタートしました。子実水分を確認し、適期刈取りに努めましょう!また、倒伏した圃場や品質に問題があるものは刈分けし、良質な小麦に混入させないようにしましょう。収穫・調製時に圃場の土が収穫物に付着しないよう注意しましょう。
 
◆ 大豆  降雨により圃場が滞水しないよう、排水対策を確認しましょう。中耕は初期除草剤(土壌処理剤)の効果がなくなり、雑草が発生し始めてから行いましょう。培土は倒伏防止や、根系への酸素供給などに効果があります。収穫時に土を噛み込まないよう、培土の高さが一定になるよう作業を行いましょう。

小麦


1 収穫作業前の事前準備
(1)小麦の成熟期は平年並となり、県内でも6月下旬から県中部を皮切りに収穫が始まりました。実際に穂を手に取って、子実水分を確認し、収穫の適否を判断しましょう。

(2)カントリーエレベータや共同乾燥施設を利用して乾燥調製を行う場合は、受け入れ時間や荷受け水分を前もって確認しておきましょう。

(3)品質低下を防ぐために、事前に倒伏圃場や赤かび病の発生状況を確認し、どの順番で刈取りを行うかチェックしておきましょう。

2 収穫作業の注意点
(1)刈取りできる子実水分
成熟期になったら、子実水分を確認し、概ね30%以下になったら速やかに刈取りを行います。なお、普通型コンバインでは35%前後から、自脱型コンバインでは30%以下から収穫が可能です。

(2)子実水分の確認
子実水分は1日で大きく変動します。晴天には1日に2~2.5%程度低下するとされていますが、風がある条件では5%以上低下することもあります。

(3)刈分けの実施
降雨等で倒伏がひどい圃場や赤かび病等で品質に問題のありそうな場合は、刈分けし、良質な小麦への混入は避けましょう。

(4)異物混入の防止
収穫・調製時に圃場の土を収穫物に付着させないよう注意しましょう。また、収穫時にコンバインによる土の噛み込みを防ぐため、できるだけ高刈りし、万一コンバインのヘッダ部に土を噛み込んだ場合は、作業を止めて清掃を行いましょう。

※ 高水分小麦の収穫について
最近は自脱型コンバインの性能が向上し、水分の高い小麦を収穫できる機種も登場してきました。しかし、水分が高いと収穫時に粒がつぶれたり、乾燥時に退色粒が発生しやすくなります。やむを得ず高水分での収穫を行う場合には、作業速度や回転数を抑え、ていねいに作業を行い、刈取り後はできるだけ早く(1時間以内)乾燥作業に入りましょう。

3 乾燥について
収穫された麦をそのまま長時間放置すると、変質し、異臭麦や熱損傷が発生します。刈取り後はできるだけ早く乾燥機へ搬入しましょう。また、乾燥機の能力にあわせて収穫作業をすすめ、速やかに乾燥を行いましょう。

(1)送風温度
送風温度は子実水分が高いほど低く設定します。子実水分35~30%では送風温度40℃以下、子実水分30%以下では送風温度50℃以下とします。

(2)送風温度の注意点
高温で急激に乾燥すると、熱損傷や退色粒が発生する場合があります。

(3)テンパリング
水分が高いほど1回当たりのテンパリング時間は短く設定します。(子実水分30%前後では1時間以内)

(4)張り込み量
乾燥機への張り込みは循環型乾燥機では容量の7割程度、平型では堆積の高さを20cm程度に抑えましょう。

(5)一次貯留と仕上げ乾燥
ビンやサイロに一次貯留する際は、水分が17~18%程度になるまで一次乾燥してから貯留し、3~4日以内に仕上げ乾燥を行いましょう。仕上がり水分は12.5%以下です。

大豆


1 概況
今年の大豆の播種作業は平年並となりました。天候に恵まれたことから、出芽の揃いは良好で、初期生育も順調です。梅雨入りは平年より7日遅い6/21ごろとなりました。

2 排水対策の確認
大豆の生育初期は湿害に弱く、ちょうど梅雨時期と重なるため、圃場に滞水部分が出来ないよう排水対策は念入りに行います。畦溝と周囲溝との連結、明渠や水尻にゴミなどの詰まりや崩れがないかの確認、排水口(フリードレン下部)の掘り下げなどを実施します。
また、明渠は干ばつ時には畦間潅水を行う場合に役立ちます。生育後期の大豆は要水量が大きく、開花期に高温・乾燥が続くと着莢数の減少により減収することがあります。排水対策として設置した排水溝は、そのまま畦間潅水等などの干ばつ対策に役立ちます。

3 中耕・培土
(1)実施時期
中耕・培土は、大豆の2~3葉期に1回目を実施することが一般的です。しかし、初期除草剤(土壌処理剤)の効果がなくなり、雑草が発生し始めたら2~3葉期に関わらず早めに行いましょう。

(2)中耕・培土のメリット・デメリットと作業上の留意点
培土作業は収穫時に土を噛み込まないよう高さを揃え、根元まで土がかかるように行いましょう。

(3)ディスク式中耕除草機 近年、土壌水分の高い転換畑でも作業が可能なディスク式の中耕除草機が普及してきています。主なメリットは次のとおりです。
①高速作業が可能で、ロータリー式の従来機に比べ作業能率は1.5~2倍程度高い
②燃料消費量が少ない(ロータリー式に比べ面積あたり燃料消費量は約半分)
③湿潤土壌でも土の練り付けが少なく、適期作業が可能
④土壌の反転作用が強く、雑草防除効果が大きい
⑤石等がある圃場での適用性が従来機より高い
⑥畦立播種や曲がった条への適応性が高い
などです。 一方、デメリットとして、
①乾燥した土の固い圃場では、ディスクの食い込みと砕土が劣る
②大きな雑草の破砕作用が不足
などが挙げられます。

なお、岩手県農業研究センターでは、ディスク式の中耕除草機について、その除草効果を高めた改良型ディスク中耕除草機(H25、写真1)および播種への活用を含めた一貫体系(H26)を発表しています。
興味のある方は最寄りの普及センターあるいは農業研究センターまで問い合わせください。
(H25年 指導)水田大豆の畦立て栽培に適応できる改良型ディスク式中耕除草機の効果
http://www2.pref.iwate.jp/~hp2088/seika/h25/h25shidou_06.pdf
(H26年 普及) ディスク式畑用中耕除草機を活用した大豆の一貫栽培体系
http://www2.pref.iwate.jp/~hp2088/seika/h26/h26fukyu_01.pdf

4 生育期の除草剤散布について
近年、広葉雑草を対象として、大豆の生育期に全面散布できる除草剤や、畦間あるいは畦間・株間に処理できる非選択性除草剤の登録が増えてきました。発生する草種や発生量を確認し、効果のある剤を遅れずに散布しましょう。特に難防除雑草が年々増加傾向にありますので注意が必要です。
生育期の広葉雑草を対象とした除草剤の特徴と散布方法の注意点は以下のとおりです。

(1)ベンタゾン液剤(全面散布、使用時期:大豆2葉期~開花前)
ア 選択性除草剤であり、作物の上から散布できます。
イ 散布用具として、既存の器具が使用可能です。
ウ 大豆の品種によっては薬害を大きく受ける場合があります(ナンブシロメ、シュウリュウなど)。
エ 晴天が続くときに散布することで、効果を高めることができます。
オ イネ科雑草には効果がなく、また広葉雑草でもシロザ・ツユクサ・ヒユ類・エノキグサ等に対する効果が不安定です。これらの雑草に対しては、後述の吊り下げノズルによる非選択性除草剤等による防除が効果的です。
カ 水稲用のベンタゾン液剤は使用できません。必ず大豆用のベンタゾン液剤を使用してください。
キ 出来るだけ早い時期(雑草の葉齢が小さいうち、大豆2葉期頃~)に散布すると効果的です。一方、薬害を生じやすい品種(ナンブシロメ、シュウリュウなど)では、大豆5葉期頃に散布することで薬害を低減できます。

(2)グリホサートカリウム塩液剤(畦間処理、使用時期:雑草生育期)
ア 非選択性除草剤のため、作物に飛散させないよう十分に注意します
イ 株間には絶対に散布してはいけません
ウ 散布器具として吊り下げの専用ノズルが必要であり、飛散防止用カバーを用いて散布します。
エ ベンタゾン液剤では効果の劣る草種に対しても高い効果が得られます。
オ 散布後に発生する雑草に対しては効果がありません。

(3)リニュロン水和剤、グルホシネート液剤(畦間・株間処理、使用時期:リニュロン水和剤;本葉3葉期以降雑草生育期、グルホシネート液剤;本葉5葉期以降雑草生育期)
ア 非選択性除草剤であり、本葉に飛散させないよう十分に注意します
イ 散布器具として、吊り下げの専用ノズルが必要です。
ウ 畦間及び株間の雑草に対して効果が期待できます。
エ リニュロン水和剤はイネ科雑草には効果がなく、またシロザ等に対する効果が不安定です。しかし、雑草茎葉兼土壌処理剤のため、散布後の雑草発生に対して抑制効果が期待できます。
オ グルホシネート液剤は、ベンタゾン液剤の効果が劣る草種に対しても高い効果が得られます。

(注)各除草剤の詳細な使用方法や使用時期(収穫前日数など)は別途必ず確認して下さい。



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