キク茎えそ病の発生について

1.発生状況
(1)平成29年7月、盛岡市内のキク栽培圃場において、葉や茎にえそ症状を呈する株が発生した。
(2)岩手県農業研究センターおよび(公財)岩手生物工学研究センターに診断を依頼した結果、キク茎えそウイルス(Chrysanthemum stem necrosis virus(CSNV))の感染が確認され、キク茎えそ病であることが判明した。
(3)本病は、平成18年に広島県で初めて確認され、これまでに29府県で発生が確認されている。本県における本ウイルスによる病害は初確認となる。

2.病徴
(1)茎にえそ条斑(図1)、葉に退緑(図2)やえそ斑(図3)およびえそ輪紋(図4)を呈する。葉の病斑は、葉柄基部や葉脈に沿って退緑やえそ斑を呈することが多い。
(2)本病の特徴は茎にえそ条斑を呈することであるが、トマト黄化えそウイルス(TSWV)によるキクえそ病の病徴と酷似しており、病徴によって両病害を区別することは難しい。



3.病源と伝染
(1)病原ウイルスは、TSWVと同じトスポウイルスに属し、ミカンキイロアザミウマによって媒介される。1齢幼虫が罹病植物を吸汁することによって本ウイルスを獲得し、永続的に伝搬する。なお、保毒雌成虫から次世代に伝搬(経卵伝染)することはない。
(2)罹病株からの挿し穂等による栄養繁殖でも伝染する。
(3)種子伝染や汁液伝染(管理作業時にハサミや手指などに付着した汁液を介しての伝染)、土壌伝染はしないと考えられる。
(4)本ウイルスによる感染は、キク以外にトマト、ピーマン、アスター、トルコギキョウで報告されている。

4.防除対策
(1)親株には健全苗を用いる。発病圃場の株は、無病徴であっても感染している可能性があるため、親株には用いない。
(2)罹病植物は伝染源になるので、見つけ次第抜き取り、埋没または袋などに密閉して処分する。
(3)本ウイルスの媒介虫であるミカンキイロアザミウマの防除を徹底する。
(4)圃場内および周辺の不要な花き類や雑草は、アザミウマ類の増殖源となるため除去する。
(5)施設栽培では、栽培終了後に施設を密閉して蒸し込み、ミカンキイロアザミウマを死滅させる。
(6)本病は、TSWVによるキクえそ病とは病徴からの区別は困難であるため、疑わしい症状が見つかった場合は、病害虫防除所まで連絡する。

詳細は以下のPDFファイルでご確認ください。

H29特殊報第1号(キク茎えそ病 CSNV)

【利用上の注意】
・農薬は、使用前に必ずラベルを確認し、使用者が責任を持って使用しましょう。
・農薬使用の際には、(1)使用基準の遵守(2)飛散防止(3)防除実績の記帳 を徹底しましょう。

【情報のお問い合わせは病害虫防除所まで】   TEL 0197(68)4427   FAX 0197(68)4316

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