飼料作物
 【牧草】
草地更新 秋播種にむけて、播種床を準備する時期です。耕起、砕土、整地作業は丁寧に行い、膨軟な播種床を作成します。最後の鎮圧作業は念入りに行います。
 【飼料用トウモロコシ】
電気柵のポリワイヤーの緊張は専用緊張具を使用します。
◆乳牛 
 暑熱ストレスによるアシドーシスを防止します。乾乳牛も暑熱対策を実施します。

1 草地管理
(1) 除草剤の播種日同日処理における播種床の作成
ア 永年草牧草は、8月中旬から9月中旬を目安に播種しますが、播種の約30日前(7月中旬から8月上旬)に播種床を予め形成し、雑草を十分に生育させます。
雑草の生育状況をみて展葉が十分であれば、経過日数にこだわらず非選択性除草剤を散布します。雑草が大きくなりすぎると播種や施肥作業の妨げになることがあります。
イ 前植生処理が未実施の場合は、速やかに非選択性除草剤を散布するか刈払を行います。
ウ 耕起作業では、ル-トマットが確実に土壌と混和するよう十分な深さを確保します。耕起作業の良否が次の砕土・整地作業の精度に影響します。
エ 堆肥は、10ア-ルあたり5tを目安に散布します。炭カルなど土壌改良資材を必要量施用します。
オ 砕土・整地作業は、ル-トマットが確実に土壌と混和するよう、また、施用した堆肥や土壌改良資材が十分に土壌と混和するよう丁寧に行います。十分に砕土された膨軟な播種床は、牧草の出芽と定着を高めます。
カ 鎮圧は2~3回丁寧に行います。表土は硬くなりますが、牧草はきちんと出芽し、その後の定着や初期生育が改善されます。また、更新後の降雨による土壌流失を最小限にとどめることができます。





2 飼料用トウモロコシのクマ食害防止対策
(1)電気柵の設置作業の省力化
設置の際にはポリワイヤーはできるだけ始点から途中で支柱やガイシに巻きつけたり、結びつけずに終点までもっていきましょう(写真2)。
ワイヤーが弛緩していても緊張は専門の道具(緊張具)を使うことでかけることができます(写真3)。こうすることで撤去時に結び目を解いて歩く必要がなくなり、ワイヤー回収スピードが格段にアップします。



3 乳牛への暑熱ストレスの影響を緩和
暑熱ストレスをうけた牛は反芻時間が少なくなるため、アシドーシスになりやすくなります。
(1)アシドーシス対策(搾乳牛)
最重要:暑熱期には給与飼料全体の粗飼料割合を下げてはいけません!!
穀物類を消化のよい粗飼料かビートパルプやマメ皮などに置き換えてやります。
その他、主な対策は下記のとおりです。

ア 嗜好性のよい、消化率の高い粗飼料を給与する
これによって乾物摂取量を高く維持し、粗飼料からより多くのエネルギーを得ることができます。
発生熱は繊維>穀物、脂肪ですが、粗飼料の消化率が高くなればルーメン滞留時間が短くなり、発生熱は少なくなります。

イ カサのない飼料をやりすぎない
粗飼料をビートパルプに置き換えるとカサがなくなり、一気喰いしやすくアシドーシスになりやすくなります。

ウ ルーメンpH低下を緩和するため重曹を増給または自由採食させる
重曹はルーメンでの発生熱を増やさずに牛にルーメンpH緩衝材を供給できる便利なものです。飼料に混ぜたり、自由になめられるようにします(100~200g/頭/日を目安です)。

(2)乾乳期の暑熱ストレス対策
乾乳期は次泌乳期への大事な準備期間です。分娩後の産乳に備えて乳腺組織やルーメンの絨毛組織を再生させます。乾乳期間に暑熱ストレスを受けてしまうと、いくら良質な飼料を与えても食い込むことはできません。また、乾乳中にヒートストレスを受けた牛は受けなかった牛と比べて、乳腺細胞の増殖速度が低くなり、乳生産量が低下するという報告もあります。
また、最近の研究により母牛の乾乳中暑熱ストレスは生まれてくる子牛の飼料摂取量や発育の低下、そして初産日乳量の低下まで長期的な影響を及ぼす可能性があることが指摘されています。
よって、暑熱ストレス対策は搾乳牛のみに気を配りがちですが、乾乳牛も同様の対策をとる必要があります。



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