平成22年1月
病害虫防除技術情報No. 21-3                     岩手県病害虫防除所

            県内におけるハモグリバエ類の発生状況について

  平成20年に、県内での発生を確認したアシグロハモグリバエ及びトマトハモグリバエについて、継続して発生状況の調査を行った。
その結果、両種とも県境付近での発生に留まっている。また、アシグロハモグリバエについては、無加温のハウス内で越冬し、定着して
いる可能性が示唆された。


1 背景
 平成20年に、県内での発生を確認したアシグロハモグリバエ(図1)及びトマトハモグリバエ(図2)について、分布の拡大が懸念される
ため、発生状況について継続して調査を行った。

 図1 アシグロハモグリバエ  図2 トマトハモグリバエ


2 調査方法
 普及センターに採取を依頼して得たサンプル及び防除所で収集したサンプルについて、PCR法により種を特定した。


3 ハモグリバエ類の発生状況 
  得られた69サンプルのうち、アシグロハモグリバエは26、トマトハモグリバエは4、ナスハモグリバエは12サンプルで確認された(表1)。

 表1 採取したサンプルの内訳
 ※ 久慈・二戸地域は久慈・二戸普及センター管内、一関・大船渡地域は
   一関・大船渡普及センター管内、その他の地域はそれ以外の普及セン   
   ター管内を示す。図3〜5も同じ。

(1)アシグロハモグリバエ
 ア 調査期間を通じて発生が見られた(図3)。発生地域は、県北部の二戸市、久慈市及び洋野町、県南部の一関市、藤沢町
        及び陸前高 田市で、県境付近に留まっている。平成20年からの発生地域においては、発生確認ほ場数は増加している
        (図3、6)。

         サンプリング市町村
※ 太字は新たに発生を確認した地域、()内はサ
  ンプル数
 図3 アシグロハモグリバエの診断数  

 イ 一関市で4月に発生が見られた事例は、無加温のハウス栽培のりんどう及び小ぎくで、いずれも昨年秋期から苗の持ち込みがな
   かったことから、無加温ハウスで越冬し、定着している可能性が高い。なお、北海道、青森県及び宮城県では本種の無加温ハウ
        ス内での越冬が確認されている。
 ウ 寄主植物として、国内で報告されているきゅうり、トマト、ピーマン、ほうれんそう、きく、トルコギキョウのほか、新たにりんどうを確
   認した(表2)。

 表2 本県で確認した寄主植物(H20〜21)
 ※太字は新たに寄主として確認したもの

(2)トマトハモグリバエ
 ア 9月、10月に発生を確認した(図4)。
 イ 発生地域は県南部の一関市及び平泉町(図4、6)で、寄主植物は、トマト、なすであった(表2)。
 ウ 平成20年と同様、発生が秋期に限られており、本県での定着については不明である。

    サンプリング市町村
※ 太字は新たに発生を確認した
  地域、()内はサンプル数
 図4 トマトハモグリバエの診断数  

(3)ナスハモグリバエ
 ア 調査期間を通じて県内各地で発生が見られた(図5)。
 イ 寄主植物は、きゅうり、トマト、りんどうであった(表2)。

          サンプリング市町村
※ ()内はサンプル数
 図5 ナスハモグリバエの診断数  

 図6 アシグロハモグリバエ及びトマトハモ
          グリバエの発生地域(H21)
 

4 防除対策
 防除対策については、平成20年度病害虫防除技術情報(岩手県におけるハモグリバエ類の新規発生について)、平成20年度
病害虫発生予察情報特殊報第1号(アシグロハモグリバエの発生について)、特殊報第2号(トマトハモグリバエの発生について)
及び平成21年度岩手県農業研究センター試験研究成果書「アシグロハモグリバエに対する各種殺虫剤の効果」を参照する。

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県内におけるハモグリバエ類の発生状況について