農作物技術情報 第8号 畑作物

◆ 大豆  子実の水分は十分に低下していても、茎水分がなかなか低下しない莢先熟の状況が見られています。子実水分・茎水分の低下を見極め、速やかに収穫を行いましょう。
◆ 小麦  土壌処理剤を散布していない圃場は、小麦の生育や雑草の発生状況に応じて土壌処理剤を選択し、必ず散布しましょう。また、圃場条件が整ってから麦踏みを行い、凍上害や倒伏を回避しましょう。越冬後の融雪対策のため排水路の点検を行い、整備しておきましょう。

大豆

開花期以降、低温で日照不足のため、登熟は緩慢となりました。9月は日照時間がやや多くなりましたが、10月に入ってからは、再び日照不足の傾向となり、台風や大雨によって圃場がなかなか乾かないところや、徒長して倒伏している圃場も見られます。成熟期を迎え、今後、収穫作業に入りますが、子実水分だけが低下し、茎水分が低下しない莢先熟の状況が見られる圃場もありますので、収穫の判断は難しくなりそうです。大豆は刈遅れるほど裂莢によるロスだけでなく、紫斑粒や腐敗粒等の被害粒の発生が多くなります。茎水分や子実水分を確認のうえ、適期刈取を目指しましょう。

1 収穫前の抜き取り
青立ち株や大型雑草などを収穫前までに圃場から撤去しましょう。青立ち株や大型雑草等は汚損粒の原因となるだけでなく、コンバインのカッター等で切断されずリール周辺で豆に接触して裂莢を増加させることがあります。また、オペレーター等が刈取りに集中できず、大幅に作業効率が低下している場合もあります。

2 適期収穫
成熟期に達した大豆は速やかに収穫を行いましょう。晴天等が続くと裂莢が急激に進むほか、子実水分が低下しすぎると乾燥調製時などに豆が割れやすくなります。また、収穫が遅れると紫斑粒やしわ粒、腐敗粒の発生も増加します。

小麦

水稲の収穫作業が遅れ、圃場も乾かなかったことから、小麦の播種は遅れたところが多くなっています。播種適期は過ぎていますので、これから播種を行う場合は種子量を増やし、年内にできるだけ茎数を確保できるようにします。播種晩限から1週間遅れるごとに10%播種量を増やし、目標株立数を確保できるよう努めましょう(農作物技術情報第7号参照)。

1 雑草防除
小麦4葉期まで散布可能な土壌処理剤もあります。土壌処理剤をまだ散布していない圃場では、除草剤の登録内容を確認し、小麦の生育や雑草の発生状況に応じて土壌処理剤を必ず散布しましょう。散布できなかった場合には、雑草が小さいうちに茎葉処理剤を散布すると効果的です。

2 麦踏み
表1にあるように、麦踏みは茎数の増加や倒伏防止などに大きな効果があります。積雪が少なく土壌の凍結が強い地帯や土壌が軽い火山灰土などでは特に有効です。積極的に麦踏みを行いましょう。
ただし、圃場が乾いていることが実施の前提条件となるので、排水不良の圃場や土壌水分が高い場合、あるいは砕土率が極端に低い場合は実施を避けます。

※麦踏みの実施方法・実施時期
・鎮圧ローラーやタイヤなどを用います。
・実施時期は、雪解け後の茎立ち前まで。
・回数は、越冬前・越冬後それぞれ1回以上を目標にします。暖冬年や播種が早い場合は回数を増やします。

3 雪腐病の防除
県北部や高標高地帯など、根雪期間が長い地域では防除を行いましょう。この場合、例年発生している雪腐病の種類に応じて薬剤を選定します。
(1)県内で発生が特に多い雪腐褐色小粒菌核病にはトップジンM粉剤DL、トップジンM水和剤、バシタック水和剤75、オキシンドー水和剤80、キノンドー水和剤80などが有効です。
雪腐病の防除時期は根雪直前が最も有効とされていますが、根雪になる時期は、年によって変動が大きいので、散布時期を失しないように注意します。これらの剤については散布後2週間以内に根雪にならなかった場合、あるいは散布後~根雪前までに30mm以上の雨が降った場合は再散布が必要になります。
(2)根雪前4週間程度から散布できるフロンサイドSCは残効も長く、上記薬剤よりも散布時期が限定されないので、使用しやすい薬剤と思われます。ただし、散布後~根雪開始前の積算降水量が120mm以上、あるいは日最大降水量65mmを超える場合は再散布が必要になります。
(3)連作圃場ほど発生が多い傾向が見られます。このため、耕種的防除として、常発地では輪作を取り入れる、融雪期には消雪を早め排水をはかる、融雪期追肥を行う、などの対策を行いましょう。

4 排水路の点検
台風第21号の影響もありますので、明渠や排水路の点検整備を行って、滞水による湿害等を防ぎましょう。

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