農作物技術情報 第9号 果 樹

◆ りんごの貯蔵販売時には果実の障害に注意しましょう!!
◆ 獣害、凍寒害、雪害対策に努めましょう!!

1 貯蔵りんごの管理
11月20~22日朝の著しい低温に、「ふじ」等の果実が収穫前に遭遇した場合、地域によっては樹上で凍結した可能性があります。樹上で果芯部まで凍結した果実は、内部褐変、硬度の低下、食味低下など果実品質が低下します。特にも常温においた凍結果実は内部褐変が著しく増加し、冷蔵貯蔵でも貯蔵20日以降は内部褐変する果実が増加することが認められています(図1、2)。また、外部裂果や大きく内部裂果した果実は、収穫後早い段階で内部褐変が発生する可能性が高いことも知られています。

被害を受けた果実を販売する場合は冷蔵貯蔵し、光センサー選果機等で褐変果を排除するようにするとともに、個人で販売する場合も果肉の状態等を随時確認して販売するようにしてください。また生食用の販売は、年内のできるだけ早い時期までとしてください。なお販売に当たっては、正常な果実に混入しないよう、区別して販売することも必要です。

「シナノゴールド」でも酸抜けを待って遅めに収穫した場合、4~5ヶ月貯蔵すると果肉が褐変することがあります。こちらも越年販売の際には、果肉の状況等を確認してから販売してください。

2 獣害対策
(1)ネズミ対策
苗木、若樹(特にJM7台利用樹)はネズミの食害を受けやすいため、根雪前に対策を実施しましょう。園地内に放置された果実はネズミの餌となるため取り除き、各種忌避剤、殺そ剤による対策も合わせて実施しましょう。

(2)電気柵の点検
近年、ニホンジカによる花芽、樹皮などの食害を軽減するために、各地でフェンシングワイヤーを利用した電気柵の導入が進んでいます。
導入した園地では、根雪前に草や園地周辺の樹木が電線に接触していないか、支柱や碍子に破損はないか、十分な電圧は確保されているか等を点検し、冬季の被害に備えましょう。

(3)廃棄果実の処分
山選果等で発生した廃棄果実を園地内外にそのまま放置すると、ハクビシンやネズミの増殖、クマによる春先の人的被害などを助長することがあります。
廃棄果実は、地中深く埋めるか破砕するなどの処理を実施し、獣害が発生しにくい園地環境をつくるようにこころがけましょう。

3 樹体の凍寒害防止
りんごなどの落葉果樹は、落葉後、一定の期間低温に遭遇し、休眠する必要がありますが、気温が高い状態で推移すると、休眠が浅くなり耐凍性が低くなることがあります。
特に定植年~結実初期(3~4年生)の若木が、影響を受けやすい傾向にあります。また、結実量が多く衰弱した樹や水はけの悪い圃場、肥料が遅くまで効いて新梢の止まりの悪い樹では、樹齢が進んでも被害が出ることがあります。
近年、冬季の気温が高く推移した後に急激に寒さが戻ることが多くなっています。凍寒害の心配のある園地では、若木を中心に地際部から高さ50cm程度まで、ホワイトンパウダー(図3)や水性ペンキ(白色)を塗布するか、わらを巻くなどして被害の軽減を図りましょう。

4 雪害対策
(1)りんご
わい性樹では雪の重みによる枝の折損を防ぐため、枝の先端を上向きに誘引するなどの対策を実施しましょう。老齢樹では、不要な太い枝、下枝は早めに除去し、ふらん病対策に塗布剤を処理しましょう。特に1月などの厳寒期にせん定を実施する場合は、必ず塗布剤の処理を実施しましょう。
苗木は、支柱にしっかり結束されているか点検を行いましょう。
雪の重みにより枝が裂開した場合には、大枝はボルト、カスガイなどで早めに接合し、支柱で補強するようにしましょう。裂開部分は、上記同様、ふらん病対策のために塗布剤の処理を行いましょう。

(2)ぶどう
ぶどうの雪害は、ドカ雪によるぶどう棚の倒壊、枝の折損が多いため、降雪が予想される前に、ぶどう棚を点検し、粗めのせん定により枝を短くするなどの対策を行いましょう。
降雪により棚が倒壊した場合には、安全が確保されてから早めに棚の針金の締め直し等を行い、せん定、枝の結束を速やかに行うようにしましょう。ひどく裂開した枝は、そのまま放置せず、被害枝を取り除き、切り口に塗布剤を処理するようにしましょう。

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