【久慈農業改良普及センター】



■ 課題名


食文化を活かした地域活性化

■ ねらい


近年、食生活の多様化や核家族化の進行等により、子どもたちが郷土料理や地域の食文化に触れる機会が少なくなっている。
郷土料理や地域に根ざした食文化の継承は、子どもたちが地域の自然や文化、産業等に関する理解を深める上で重要であり、学校給食の献立として提供する事が有効な手段として期待されているが、調理の手間や費用がかかるなどの課題があり、定期的な提供に至っていなかった。
このため、当センターでは、管内の食の匠で構成される「やませの郷食の技研究会」と連携し、学校給食における郷土料理の定期的な提供に取り組むこととした。

■ 活動対象


久慈地域の学校給食関係者(岩手県学校栄養士協議会久慈支部・各学校給食調理員等)

■ 活動経過


(1) 学校給食関係者(栄養士)への聞き取り(9月)


学校給食関係者(栄養士)の勉強会に参加し、管内での学校給食への郷土料理提供状況や食の匠との交流会で検討したい事項について聞き取りを行った。すでに給食に取り入れられている郷土料理も多かったが、給食に提供するにあたり、その郷土料理の調理方法をどの程度アレンジが可能かなど、興味を示す関係者が多く見られた。

(2) 学校給食で提供できる郷土料理の検討(10月)


学校給食関係者(栄養士)、やませの郷食の技研究会のメンバー並びに市町村等の関係機関が一堂に会し、学校給食に向く郷土料理は何か、また郷土料理を提供するにあたり、アレンジの程度や給食ならではの調理の工夫(アレルギー対応等)について検討した。
この後、提供できそうな郷土料理と実習してみたい郷土料理を4つに絞り、その中から2つの郷土料理について、次回、調理実習を行うこととした。

活発な意見交換をする参加者活発な意見交換をする参加者
学校給食センターの取組事例の紹介学校給食センターの取組事例の紹介

(3) 郷土料理の調理実習(1月)


学校給食関係者(栄養士・調理員)を対象に、2つの郷土料理(麦炊(じょうす)、鯨汁)について食の匠2名を講師に招き調理実習を行った。参加者は、麦炊や鯨汁の調理方法、“いわれ”や“歴史”について熱心に耳を傾け、積極的に質問をしていた。
また、これらの郷土料理を初めて口にした参加者も多く、普段口にできない「本物の郷土料理」に触れることで、学校給食で提供するイメージがわいたとのコメントがあった。

熱心な指導を行う食の匠たち熱心な指導を行う食の匠たち

■ 活動成果


給食に提供された麦炊(右下)給食に提供された麦炊(右下)

(1) 学校給食関係者は、郷土料理をどの程度アレンジできるのかを理解したことで、学校給食での提供に向け具体的な検討を始め、久慈市と洋野町の小学校では、平成31年1月の学校給食週間で郷土料理「麦炊」が提供された。

(2) 学校給食関係者は、郷土料理の“いわれ”や“歴史”を「給食だより」等で子どもたちに伝えたいとの意向を示すなど、郷土料理をただ提供するだけでなく、その文化的な背景を子どもたちに伝える大切さの理解につながっている。

(3) 食の匠も郷土料理の調理方法を伝承するだけでなく、“いわれ”や“歴”について学校給食を通して子どもたちに伝えていくことに対し、強い思い入れがあり、今回の交流会を行ったことに満足感や充実感を感じていた。

金慶暁辰 氏久慈管内の栄養士の中では、学校給食で郷土料理を提供したいと思っていても、どこまでアレンジが可能か、大量調理ができるか等、食の匠に聞いてみたいことが山ほどあった。このような機会を設けていただき、食の匠と交流することで、日頃の疑問を解決することができ、ありがたかった。今回勉強した郷土料理の“いわれ”や“歴史”について、学校給食だよりに載せ、子どもたちの郷土料理に対する理解を深めたい。来年以降の活動にもつなげたいと思っている。
所属職名:岩手県学校栄養士協議会久慈支部 会長  氏名:金慶暁辰

■ 協働した機関


やませの郷食の技研究会、久慈地方農業農村活性化推進協議会

■ 久慈農業改良普及センター


農村活性化チーム(チームリーダー:土田泰輔、チーム員:山本明日香)
執筆者:山本明日香