【盛岡農業改良普及センター】



■ 課題名


大豆の収量品質向上支援

■ ねらい


大豆の広葉雑草対象除草剤として、生育期に全面散布可能な「ベンタゾン液剤(商品名 大豆バサグラン液剤)」が広く使用されているが、草種により十分な効果が得られない場合があり、特定の草種の繁茂による雑草害が課題となっている。
このため、ベンタゾン液剤の効果が不十分な草種に対し効果が高いとされる「フルチアセットメチル乳剤(商品名 アタックショット乳剤)」の防除効果及び薬害発生程度等を実規模で実証し、生産現場での有効性及び普及上の課題を明らかにすることを目的とする。
なお、各剤を使用した際、大豆生育初期に一過性の薬害を生じる場合があるが、適切に使用すれば大豆の収量に大きく影響するものではない。本実証では、除草効果が十分にあり、薬害発生が収量に影響しないことの確認をねらいとする。

■ 活動対象


実証担当法人(農事組合法人室岡営農組合:矢巾町)

■ 活動経過


(1) 事前準備


ア 試験区の設計

フルチアセットメチル乳剤とベンタゾン液剤(対照)の2区を設置。

イ 生産者への試験実施内容の説明(5/14)

大豆播種前に試験実施生産者、除草剤取扱企業と試験区、除草剤散布体系の打ち合わせをした。

(2) 耕種概要


ア 播種:6月10日(品種:シュウリュウ)

イ 土壌処理剤:6月11日(ジメテナミドP乳剤)

ウ 除草剤処理:7月11日(大豆3~4葉期)

エ 処理時の主な発生草種:タデ科(草高約5cm)

(3) 実証結果


調査内容(調査日:7月19日、除草剤処理日から8日後)

調査内容 


フルチアセットメチル区の薬害は、次の写真のとおり症状を確認したが、生育進展とともに回復し、収量への影響はなかった。

大豆薬害症状

■ 活動成果


(1) 成果


ア 調査の結果、フルチアセットメチル乳剤は、ベンタゾン液剤では十分な効果が得られない草種に効果が高いことを確認した。また、薬害が収量に影響しない程度に発生することを生産者と共有した。

イ 同様の実証を行った他普及センターの結果とともに、県内におけるフルチアセットメチル乳剤の除草効果及び薬害発生の特徴を明らかにした。

(2) 課題


ア 薬害の発生及びその程度は気象条件により変化するため、播種時期の相違や年次による薬害発生程度の差異を情報共有、検討していくことが必要。

イ 生産者自ら雑草草種を判別し、草種に応じた除草剤を選択できる指導が必要。

(3) 今後の展望


新規除草剤フルチアセットメチル乳剤の効果の特徴及び薬害発生状況が明らかになったため、本実証結果を大豆生産者へ広く情報提供し、大豆の収量品質向上の一助としていく。

組合長理事 村松潔氏 今回実証した新規除草剤の薬害は、目立つほど発生せず、使用に問題はないと感じている。今回の結果を雑草防除に活用していきたい。
雑草害を未然に防ぐため、今後水田と1年おきの輪作体系を実施したいと考えている。引き続き、収量アップのため、試行錯誤をしながら大豆生産を行っていく。
所属職名:農事組合法人室岡営農組合(矢巾町) 組合長理事 氏名:村松潔

■ 協働した機関


生産者、除草剤取扱企業、中央農業改良普及センター県域普及グループ

■ 盛岡農業改良普及センター


作物振興チーム(チーム長:林尻雄大、チーム員:田村恵里佳)
執筆者:田村恵里佳