◆ 排水対策をしっかり講じるとともに、計画的に圃場の準備を進めましょう。
◆ 計画的な播種・育苗で、適期作業に努めましょう。
◆ 施設栽培では定植前後の地温確保、保温管理により活着促進を図ります。
◆ 育苗中の苗は温度管理を徹底し、不良果の発生や徒長を防ぎましょう。

1 排水対策・圃場準備について
近年、局地的な豪雨被害が頻繁に発生していますので、定植前に排水対策をしっかり講じて今年の栽培に臨みましょう。また、土壌病害対策で土壌消毒やpH改良などを行う場合は、早目に圃場の準備をする必要がありますので、計画的に作業を進めましょう。
(1)施設野菜
 今年は平年より気温が高く推移していますが、育苗ハウスでは、高温により苗の生育が進み軟弱徒長になる場合があるので、適宜ずらしを行い徒長しないように心掛けます。
イ 定植ハウスでは、定植2週間前にはマルチを張り、地温を上昇させます。
 雨水がハウス内に流入しないように、ハウス脇の排水用水路の点検や整備を行いましょう。
(2)露地野菜
 レタス等の葉菜類で定植時期を迎える作型があります。育苗中は温度管理を徹底し、徒長を防止します。
 マルチを利用する品目では、適湿時にマルチを張って地温を高め、出芽や活着を促進させます。
 暗きょや明きょに流入した余剰水を圃場外へ排出できるよう、排水溝を整備しましょう。

2 果菜類の育苗・定植準備
果菜類の苗は、定植時には既に上位の花芽分化が進んでいます(表1)。
定植時の低温や活着の遅れは、果実品質にも大きく影響するので注意しましょう。
また、苗に病害虫が発生したまま定植されると、圃場での防除が困難になります。育苗ハウス内の雑草防除、温湿度管理等環境を整えるとともに、育苗段階でも状況に応じて薬剤散布等を行ってください。
(1)露地果菜類
露地きゅうり、簡易雨よけトマト、露地ピーマン等の育苗管理では、播種床や移植床の地温確保をしっかり行い、生育ステージに応じた温度管理に努めましょう。日中に蓄熱したハウス内の保温効率を高めるため多重被覆を行うとともに、育苗床の保温は保温性の優れる農ビを使用し、さらに断熱シートや反射シート等をかけます。
(2)ハウスきゅうり
 本葉3~3.5枚のやや若苗定植とします。定植5~6日前から夜温を15℃程度とし、順次ずらしを行うとともに潅水を控えて徒長を防ぎましょう。
 3月下旬~4月上旬の定植では、保温または補助暖房が必要です。地温の上昇が期待できるマルチの利用や内張りカーテン、トンネル被覆の他、温水チューブをマルチ上に設置するなど、地温確保と保温に努めましょう。
 定植後は、根をしっかり張らせるために主茎長30cm(または5節)までの雌花と側枝を除去します。草勢が弱い時は10節位までの雌花も除去し、草勢回復を図るとともにしっかり根を張らせましょう。
活着後は湿度をやや高めに管理し側枝の発生を促します。
(3)雨よけトマト
 育苗期に極端な低温に遭うと、低段花房にチャック果、窓あき果などの障害果が発生しますので、夜温は10℃以下にならないよう保温が必要です。育苗期のカルシウム剤の葉面散布も有効です。
 苗が生長するにしたがい、順次ずらしを行い、徒長苗防止、葉かび病等の発病防止に努めましょう。
ウ 定植は1段花房が1~2花咲いた頃の苗をやや浅植えします。活着を促進するためにマルチ利用に加えてトンネル被覆による保温、または補助暖房の準備を行い、地温15℃以上を確保します。
(4)ハウスピーマン
 定植20日前頃から徐々に育苗ハウス内の夜温を下げ、順化をします。定植5日前には16℃程度まで下げ、潅水も控えめにします。肥料切れの兆候が見られる場合は、液肥を施用します。
 定植ハウスでは、地温18℃を確保できるようにトンネル被覆による保温、または補助暖房の準備が必要です。定植後、根鉢が乾かないよう温水を株元に手潅水し、活着を確認した後は潅水チューブによる潅水に切り替えます。

3 葉菜類の播種・育苗・定植準備
露地野菜では育苗期の温度管理を適切に行い、期間の後半には外気に当てて外の環境に慣らしましょう。キャベツ、レタスとも低温には比較的強い作物ですが、活着する前の強い低温により枯死する場合がありますので、定植直後はべたがけ資材(表2)を使って低温、降霜、強風の被害を防ぎましょう。
(1)キャベツ
 気温の上昇に伴い、苗の生育も早まります。定植が遅れると老化苗となり活着の遅れ、玉揃いや品質の低下につながります。育苗時の温度管理を徹底して、苗を徒長させないようにしましょう。この時期の定植適期の目安は、128穴のセルトレイで本葉3~3.5枚です。
 この時期に定植する作型では、定植後の活着促進、降霜による傷みの防止、初期生育の促進を目的として、べたがけ資材の利用が有効です。
(2)レタス
 苗を徒長させないよう育苗管理に注意するとともに、圃場準備を早めに行い、適期に定植を行いましょう。
イ キャベツ同様、定植後にべたがけ資材を利用して、生育促進、霜害防止を図りましょう。



(3)ねぎ
 育苗日数は、地床育苗で70~90日間、セル成型育苗やチェーンポット育苗で50~60日間が目安となります。日中の高温、育苗培土の過乾燥に注意しましょう。葉色が淡い場合は潅水を兼ねて液肥を希釈して施用します。
 定植圃場の植え溝は管理機等で深さ15~20cm程度にします。土壌水分が多い時の植え溝掘りや定植作業は、活着不良や欠株の要因となりますので、圃場の排水対策を実施し、適湿時を選んで作業しましょう。
(4)雨よけほうれんそう
 ハウス内に積もった雪解け水だけに頼って春1作目を栽培すると、水分不足や生育ムラを生じることがあります。潅水をしっかり行って栽培しましょう。
 播種後にべたがけ資材を用いることにより、出芽揃いが良くなります。しかし、長期間の被覆は徒長の原因となるので、出芽が揃った時点で除去します。
 低温期の作型では、ホウレンソウケナガコナダニの被害が多発します。前年に発生が見られた圃場では、フォース粒剤を播種前に全面土壌混和しましょう。未熟有機物(モミガラ、わらなど)の施用は被害を助長するので止め、被害株は、圃場外に持ち出して処分しましょう。
なお、有機質材料が含まれない肥料を施用することで、有機入り配合肥料を施用した場合に比べ、ケナガコナダニによる被害を少なくできるという試験研究成果があるので、例年被害が見られる圃場では施肥体系を検討しましょう。

  • この資料に掲載の農薬は、平成31年3月12日現在の農薬登録情報に基づいています。

  • 農薬は使用前に必ずラベルを確認し、使用者が責任をもって使用してください。


(資料作成年月日: 平成31年3月12日)



印刷はこちらから→yasai01(PDF232KB)