◆  りんどう  適期に株仕立て、追肥、雑草対策を行いましょう。
◆  小 ぎ く  育苗、定植作業を計画的に進めましょう。

りんどう


1 生育状況
本年は、2月下旬から3月中旬にかけて平年よりも気温が高めに推移し、積雪も比較的少なかったことから、萌芽は平年よりも前進傾向となりました。一方で、3月下旬以降低温で推移し、降雪もみられたため、生育が停滞しました。現状の生育は、平年並からやや遅れているものとみられます。

2 圃場管理
(1)潅水
これから、圃場が乾燥しやすい時期となります。5、6月は特に草丈の伸長が旺盛な時期ですので、乾燥しないよう注意します。通路(うね間)潅水が基本となります。

(2)株仕立て
株仕立ては、切花品質の確保や病害虫防除の点から重要な作業です。生育の良好な茎を株当たり8~10本程度残して他の茎は除去しますが、残す茎の数は草勢に応じて加減します。除去する茎は、作業がしやすい株の外側部分だけではなく、内側からも除去します。作業が遅れないよう茎の伸長の早い品種から順次開始し、草丈が30cm頃までにすべて終えるようにします。
また、ウイルス病の伝染を防ぐため、刃物は使わずに手で折り取ります。間引いた茎葉は、病害虫予防のため、必ず圃場外へ持ち出して処分します。

(3)追肥
春の基肥に追肥が必要な肥料(りんどう専用肥料等)を用いた場合は、以下のとおり追肥します。
ア 追肥時期
追肥時期は品種の生育状況に合わせて調節し、側芽が見える頃を目安に終えるようにします。
イ 追肥量
追肥には窒素・カリ成分が主体の速効性肥料を使用し、施肥量は窒素成分量で5~8kg/10aを基準とします。これを2~3回に分けて施用しますが、例年より葉色が濃い場合は、1回の追肥量を減らすか追肥回数を減らします。

(4)雑草対策
防草シートを積極的に活用し、手除草や機械除草をできるだけ減らします。シートは様々な種類がありますが、圃場の排水性を考慮して、できるだけ透水性の高いものを使用します。また、りんどうに適用のある除草剤を、茎葉処理剤と土壌処理剤を分けて有効活用し、除草労力の軽減化を図ります。

(5)生理障害対策
葉先枯れ症状は、生育が盛んになる5月上旬頃から発生し、おおよそ7月下旬頃までみられます。原因は、急激な茎葉伸長に伴う植物体の水分不足と、植物体上部の石灰不足によるものとされています。よって、圃場を乾燥させない土壌水分管理が重要です。また、生育初期からの定期的な石灰資材の葉面散布により、発生の軽減効果が期待できます。

3 病害虫防除
リンドウホソハマキの幼虫は、前年の残茎の中で越冬しますので、早めに除去して圃場外へ持ち出して処分します。
生育初期の防除で重要なのは、葉枯病とハダニ類です。いずれも、生育初期に多発すると、その後全体に拡大して防除に苦慮することになるので初期防除を徹底します。
特に、前年にハダニ類が発生した圃場では、残茎中などで越冬した成虫の数が多くなるため、本年も発生しやすい条件となります。葉裏をよく観察して発生状況を把握し、発生初期に薬剤防除を行います。ダニ剤は、同系薬剤の使用を年一回とし、薬散ムラがないよう葉の表裏に十分量を散布します。

4 施設栽培
促成・半促成栽培ともに、花芽分化期(側芽発生期が目安)までは最低気温8~10℃を目標に夜温を確保します。以降、最低気温が10℃を上回るようになったら、夜間入り口とサイドを徐々に開放し、茎の軟弱化を防ぎます。
日中の温度管理は25℃以下を目標とします。30℃を超えるような状況が続くと、露地の真夏と同じ状態になり、開花遅延の原因となるため、晴天時の換気には特に留意します。
病害虫では、リンドウホソハマキやハダニの発生時期になっています。圃場をよく観察し、発生初期に薬剤防除します。

5 育苗
りんどうは移植時の植え傷みの影響を受けやすいので、移植作業は遅くとも根がセル底に到達する前に終えます。ピンセットで苗を引き抜く際は、茎葉を傷付けないよう、根を切らないよう優しく取り扱います。間引き・移植作業後、本葉が見え始めたら、液肥による追肥を開始します。苗の生育状態をよく観察し、適期に施用を始めます。
育苗期に発生しやすい病気として、アルタナリア菌による苗腐敗症が挙げられます。本葉2対目が出始める時期に有効薬剤を散布して予防に努めます。

小ぎく


1 生育状況
地域差はあるものの、2月下旬から3月中旬の暖冬傾向により、採穂用親株の生育は比較的順調でした。しかしながら、3月下旬以降の低温により生育が停滞しており、今後も低温傾向が続いた場合、これから挿し芽作業が本格化する9月咲以降の品種で、挿し穂の不足や挿し芽作業の遅れが懸念されます。同様に、現在育苗中の8月咲品種についても、低温による挿し穂の発根の遅れが心配されます。

2 育苗
育苗期間中は、15℃を目標に温度管理します。夜間はトンネルなどで保温しますが、低温期は保温のみで目標温度を確保するのが困難なため、暖房機や温床線を活用する例もみられます。日中は20℃を越えないよう施設やトンネルを開放して換気します。例年この時期は、晴天時のトンネルの開け遅れによる高温障害や、逆に過度の遮光を原因とする日照不足による発根遅れがみられますので、天候や苗の生育に応じたきめ細やかな管理が必要です。
なお、適切な条件で育苗した場合、挿し芽から概ね2週間で定植適期苗となります。

3 圃場準備
小ぎくは過湿による生育への影響が大きく、排水不良となりやすい水田転換畑等で栽培する場合は、明渠、暗渠等の排水対策を講じます。また、湿害を避けるため、高畦で栽培することも有効です。



4 定植
定植期は地域によって多少異なりますが、8月咲品種は4月下旬から5月上旬、9月咲品種は5月下旬から6月上旬が定植期となります。老化していない適期苗の定植が基本となりますが、定植直後に降霜が予想される場合は、天候が回復するまで定植を控えます。定植作業は、極端な浅植えや深植えとならないようにし、植え込み後は苗が浮き上がらないよう軽く土で苗を押さえます。
定植後は、十分に潅水して活着や初期生育を促します。

5 定植後の管理
(1)晩霜対策
5月中旬頃までは晩霜の心配があります。特に晩霜の多い地域では、ポリフィルムや不織布被覆による対策を行います。いずれも、風で飛ばされないようしっかりと固定します。

(2)潅水
定植後に土壌の水分が不足すると、根の発育が抑えられて生育が停滞します。圃場が乾燥しないよう適宜潅水を行います。

(3)摘心
摘心は、定植後に活着を確認してから芽の先端部を小さく摘み取ります。大きく摘心すると側枝の発生数が少なくなることがあります。作業後は圃場を何度か確認し、摘心のやり残しや不完全な摘心がないようにします。
なお、省力化を目的として、定植前にセルトレイ上で摘心するやり方もあります。ただし、側枝の発生が弱い品種では、慣行の定植後摘心とします。

(4)土寄せ
無マルチ栽培では、側枝が10cm前後に伸びた頃と整枝後の2回、土寄せを実施します。土寄せによって、新根の発生が促されて生育が旺盛となり、切花のボリュームが確保されます。併せて、通路の雑草抑制にも有効です。

6 病害虫防除
白さび病は、親株から感染した苗を圃場に持ち込んで発生することが多いので、生育初期からの定期的な予防散布を徹底します。他県では農薬以外の防除方法として、苗の温湯処理を行う事例があります。県内でも試行的に取り組む産地が現れるなど、徐々に注目されつつあります。
害虫では、アブラムシ類やハモグリバエ類が、苗からの持ち込みによって定植直後から発生することがあるので、初期防除に留意します。



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