◆ 小麦  小麦の生育は、平年並みとなっており、県中南部では開花期に合わせた赤かび病の防除が行われています。本年は生育が旺盛な圃場が多いため、5月21日の強い風雨によって、倒伏した圃場が見られます。倒伏部分は徐々に起き上がってきていますので、赤かび病の防除は倒伏部分を含め、丁寧に実施しましょう。
今後の天候によっては、収穫作業が早まることも考えられます。乾燥施設との 連携や収穫機械の整備などを行い、万全の体制で臨みましょう。
◆ 大豆  大豆は初期生育の善し悪しが収量や品質に大きな影響を与えます。排水対策・耕起・砕土などを丁寧に行い、土壌条件を整えましょう。種子消毒・播種・除草剤の散布などは計画的に実施し、初期生育を確保しましょう

小麦


1 赤かび病の防除
出穂期は平年並となりました。開花の揃いも良く、生育が旺盛な圃場が多くなっています。5月21日に強い風雨があり、倒伏した圃場が見られました。現在は徐々に起き上がってきていますので、赤かび病の防除は、倒伏部分にも確実に薬剤が付着するよう丁寧に行ってください。
県中南部では5月中旬から出穂が始まっており、1回目の赤かび病の防除が終了したところもありますが、これから防除を行う地域では、開花状況を見て適期に散布を行いましょう。赤かび病の薬剤防除は、品種や天候によって2回目、3回目の散布が必要になりますので、表1を参考に防除を行います。
また、薬剤防除だけでは完全に赤かび病を抑制することはできません。穂が緑色のうちにほ場を見回り、赤かび病にかかっている穂を抜き取りましょう。また、赤かび病が多発した場合は、刈り取りを別とし、健全粒に赤かび粒が混入しないようにしましょう。



※同じ薬剤や同系薬剤の連用によって、耐性菌を生じることがあります。薬剤の選択に注意しましょう。

2 乾燥・調製施設との連携
(1)今後の天候によって、登熟が早まる可能性があります。また、小麦の収穫時期は梅雨と重なるため、実際の刈取り期間はかなり短くなります。倒伏部分は刈取りを別とし、適期内に収穫できるよう、圃場排水対策や機械等の点検整備を早めに行いましょう。
(2)施設を利用して乾燥・調製を行う場合は、施設側との連携を密にし、計画的に収穫作業ができるよう、収穫・受け入れ体制を今から十分に整えておきましょう。

大豆


 大豆は初期の生育が収量・品質に大きく影響する作物です。排水対策、圃場づくり、播種作業を丁寧に行い、順調なスタートを切りましょう。
 
1 排水対策の実施
(1)排水不良は出芽不良を誘発するだけでなく、根粒の着生を抑制します。
(2)播種前に弾丸暗渠やサブソイラ等を用いて排水対策を講じましょう。特に転作田では必ず畦畔の内側に溝幅20~30cm、深さ15~30cmの溝(額縁明渠)を作り、ほ場水尻の排水口につなぎましょう。排水溝の設置は、夏期の干ばつ時に畦間潅水を実施する際にも役立ちます。
(3)基盤整備の事後転作圃場は一般に重機による転圧等で透水不良となっています。排水口を深く掘り下げて額縁明渠につなぐ等の対策を行いましょう。



2 施肥・耕起・砕土・整地
(1)砕土を丁寧に行いましょう。仕上がりが不均一だと、除草剤の効果が低下し、薬害の誘発、播種精度の低下に伴う出芽不良などの原因となります。
(2)耕うん・砕土後(特にロータリ耕後)は、土壌が水分を含みやすく、乾きにくくなります。播種スケジュールと天候の動きをみながら、無理のない作業日程を立てましょう。
(3)整地終了後~播種前に雑草が目立つ場合などでは非選択性除草剤を有効に利用しましょう。

3 播種作業・・品種に応じた栽植密度を確保しましょう
(1)播種適期
概ね表2のとおりです。播種作業は適期内に行いましょう。ただし、圃場が滞水するような条件や、播種前後に大雨が予想されるときは出芽が劣るので作業を控えます。逆に乾燥しすぎた土壌条件で播種すると出芽が遅れるので、こうした場合は覆土をやや厚くします。



(2)播種様式
畦幅(条間)は、その後管理する機械に合わせて設定します。品種別の栽植密度は表3を目安にしてください。



また、水田転換畑での栽培では、排水不良による湿害を起こしやすいので、排水対策を実施した上で、うね立て播種等の「湿害軽減播種技術」と組み合わせると効果的です。
湿害軽減播種技術には、

①代かきハローを用いた「小畦立て播種」http://www2.pref.iwate.jp/~hp2088/library/koune/

②改良型アップカットロータリを用いた「耕うん同時畝立て播種」
http://www.naro.affrc.go.jp/laboratory/carc/contents/files/deliv-02_1.pdf

③「ディスク式畑用中耕除草機を利用した畝立て播種」
http://www2.pref.iwate.jp/~hp2088/library/disk_unetate/disk_unetate.pdf

等があります。いずれもうねを立てることで、播種された種子の位置や根域が高くなり、地表付近の滞水の影響を緩和することができます。生育初期の湿害を回避することで、その後の生育が良好となり、収量や品質が向上することが確認されています。
一方湿害の多い圃場では、根が下層にまで伸長できずに根域が浅くなることが知られています。このような大豆は干ばつにも弱く、着莢数の減少や雑草の繁茂等が生じて悪循環を招くこととなります。



(3)播種量
同じ栽植密度でも種子の大きさにより播種量が変わりますので、適正な栽植密度となるよう、種子の大きさに応じて播種量を決めましょう。
(4)青立ち対策
青立ちの発生原因は様々ですが、①一株単位での生育過剰、②一株莢数の減少、などが主な原因と考えられます。一株単位での生育過剰を防ぐには、疎播にならないように、「適切な播種量を確保」することなどが重要です。特にシュウリュウなどの大粒品種では入念な播種量の調整・確認を心がけましょう。
(5)病害虫防除・・・種子消毒を徹底
紫斑病やタネバエ防除のため、チアメトキサム・フルジオキソニル・メタラキシルM水和剤(商品名:クルーザーMAXX)等で種子消毒をします。必ず塗沫後に十分に乾燥したことを確認した上で、播種してください。
(6)雑草防除
ア 播種後の土壌処理剤の散布は必須です。播種後すぐに散布できるよう作業を組みましょう。また、土壌処理剤は土に適度な湿り気がある状態で散布するのが望ましいですが、土壌が乾いている時は、希釈水量の上限量で均一に散布し、処理層の形成に努めます。
イ 覆土が浅いと薬害の生じる場合があります。覆土は2~3cm以上確保しましょう。
(7)中耕培土・・・中耕培土で生育の安定化を
 中耕培土には次の効果があり、生育を安定化するのに役立ちます。
①雑草防除、②倒伏防止、③土壌の通気性を良好にし、地温を上昇させ根の機能を向上させる、④発根を促進し、根群を発達させる、⑤土壌の排水を良好にする、などです。
中耕培土の時期は大豆2~3葉期と5~6葉期が一般的ですが、雑草の発生時期に応じて(除草剤の効果がなくなってきたら)、雑草が小さいうちに行うことが重要です。培土の高さは、コンバイン収穫の場合はあまり高くしないこと(おおむね1葉節以下)に留意します。また、汚損粒の発生を防ぐため、培土の高さは一定に株元までかかるようにします。
 ディスク式中耕除草機:近年ディスク式中耕除草機の普及が進んできています。ディスク式中耕除草機の主なメリットは、①湿潤土壌でも土の練りが少なく適期作業が可能、②作業能率・燃費に優れる、③畦立て栽培に適しており除草効果が高い、などが挙げられます。詳しくは農業改良普及センター等に問い合わせください。

 





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