◆ 全  般              降雨への事前対策として排水対策を徹底しましょう!
◆ 施設果菜類          換気の徹底、適切な肥培管理・水分管理と病害虫防除を!
◆ 露地きゅうり         生育に応じた整枝・摘葉管理と病害虫防除を!

◆ 雨よけほうれんそう    天候の変化に応じた適切な管理を!
◆ 露地葉菜類          病害虫防除の徹底と計画的な作業により良品出荷を!

1 生育概況
(1)施設果菜類は順次収穫が行われています。生育は概ね順調ですが、成り疲れによる草勢低下も見られます。病害虫では、アザミウマ類やアブラムシ類、灰色カビ病などの発生が見られていますが、例年より少なめです。
(2)露地果菜類の定植はほぼ終了しましたが、定植後の低温により生育が遅れている圃場が一部で見られます。病害虫では、露地きゅうりで黒星病とアブラムシ類、露地ピーマンでヨトウムシの発生が一部で見られています。
(3)雨よけほうれんそうの生育は概ね順調ですが、一部で低温・乾燥による生育停滞が見られています。また、コナダニ類やアザミウマ類等の虫害が見られています。
(4)高冷地キャベツは、干ばつの影響はあったものの、平年並みの6月下旬からの出荷開始見込みです。根朽病の被害が見られることと、コナガ等の発生が見られます。高冷地レタスの生育は概ね順調ですが、べと病や斑点細菌病、菌核病やすそ枯病の発生が見られます。ねぎの生育は一時生育停滞が見られたものの、現在は概ね順調です。地域によりネギアザミウマ、ネギハモグリバエの被害が見られ、べと病や萎凋病も散見されるものの、全体的に病害虫の被害は少なめです。

2 技術対策
(1)梅雨期の降雨への対応
降雨によって泥はねが発生すると病害の感染源となりますので、天候回復後に殺菌剤の予防散布を行います。
集中豪雨などで圃場に滞水した場合は、速やかに排水を促し、通路の中耕等により根に酸素を供給するなどして草勢の回復を図ります。
局地的な豪雨に備え、明渠や暗渠の末端部分の詰まりなど排水対策の再確認を行います。

(2)ハウス果菜類の管理
ア 雨よけトマト
雨よけ栽培では収穫が始まり、草勢のバランスを崩しやすい時期に入ります。着果量や生長点付近の状態(生長点の大きさ、葉色、葉の巻き具合、茎の太さ)を確認しながら、適切な追肥や潅水により草勢を維持することがポイントになります。つる下げ作業も、一気に下げると極端に草勢を落としますので、こまめに行うようにしましょう。
例年、着果負担から草勢低下を引き起こしている事例が見受けられますので、適正に着果調整するとともに、天候と生育状況に応じた潅水施肥管理を行って下さい。
また、今後は降雨とともに灰色かび病や葉かび病の発生が多くなってきます。曇天時でもこまめに換気し、できるだけハウス内の湿度を高めないようにします。曇雨天時のわき芽かき作業は、病気を伝染させる場合もありますので、晴天時に作業するようにして下さい。薬剤防除は灰色かび病や葉かび病、アザミウマ類、アブラムシ類の防除を基本とした薬剤を選定し、適期防除に努めます。
土壌病害では、一部地域でかいよう病が発生しています。発病株は速やかに抜き取り処分するとともに、ハサミや手袋などをこまめに消毒しながら作業し、圃場内での発生拡大を最小限に抑えましょう。
イ 雨よけピーマン
4本仕立ての整枝法は、「京ゆたか」では主枝第10分枝まで側枝3~4節摘心、主枝第11分枝以降は側枝2節摘心が基本です。「京鈴」「さらら」等の草勢が弱い品種は、下段側枝を2節程度で摘心し着果数を制限するとともに、潅水と追肥は少量多回数とし、草勢を低下させないよう管理します。曇天が続いたり、側枝の着果負担が多く草勢が低下する場合は、ふところ枝の摘除や側枝の着果数を減らすなどして、主枝の伸長を促進します。
また、圃場への浸水や多潅水により株元が過湿になると疫病が発生しやすく、乾燥してくると尻腐果が発生しやすくなります。pFメーターを目安とした水分管理を行うとともに、株元を乾かすような管理を心がけましょう。なお、pFメーターの指示値は2.0を目安とします。
一方、病害は灰色かび病が発生しやすくなりますので、ハウス内の湿度を高めないようにこまめに換気します。花かすを取り除くことも病害回避に有効です。害虫は気温の上昇とともにアザミウマ類やハダニ類が増加してきますので、花の内部と葉の裏側をよく観察し適切に防除します。
ウ 夏期高温期の昇温抑制対策
夏期高温に備え遮光幕や塗布型遮光剤を利用する場合には、資材の種類や使用濃度により効果や持続性に差が出ますので、使用方法を十分確認してください。
また、ハウスの肩より上部での換気実施やツマ面の開放等により、できるだけハウス内に熱気がこもらないように工夫して下さい。
梅雨明け後は、品目により通路への散水や敷きわら等も地温やハウス内気温の昇温抑制に有効ですので、総合的対策を今から検討しておきましょう。

(3)露地きゅうり
本格的な収穫を迎える時期となりました。収穫量に応じた追肥と潅水で草勢を確保します。特に乾燥気味の圃場では、潅水や敷きわらなどで土壌水分の保持を図ります。
1本仕立ての場合の生育中期~盛期における基本的な整枝、摘葉管理は表1を参考に行いますが、品種や草勢により管理技術は異なりますので、あくまでも目安としてください。2本仕立ての場合は、主枝8~10節から発生する側枝を1本伸ばします。それ以外の主枝10節までの側枝は1節摘心とし、主枝11節以降は2節摘心または半放任とします。
いずれの仕立て方法の場合でも、初期生育が劣り側枝の発生が鈍い場合は強剪定を避け、根の発生を促すように管理してください。
病害虫防除では、7月はべと病や褐斑病、炭そ病等の斑点性病害の予防に重点をおきます。特に炭そ病や褐斑病は、例年発生が見られる7~10日前からの予防散布が重要です。
なお、斑点性病害は薬剤散布による防除だけでなく、圃場内への蔓延を防ぐため疑わしい病斑が見られたら積極的に摘葉し、速やかに圃場外で処分しましょう。
また、キュウリホモプシス根腐病は、気づかないうちに根が感染している場合があります。生育中に萎れが発生していないかどうかを観察し、疑わしい症状が見られる場合は、最寄りのJAまたは普及センターへお問合せください。
雨の少ない地域では、アブラムシ類やハダニ類の発生も懸念されます。アブラムシ類は定植時に施用した粒剤の効果が切れてくる時期ですので、早めに薬剤散布を行うようにしてください。



(4)葉菜類の管理
ア 雨よけほうれんそう
梅雨に入り、圃場内へ雨水が流入したり、ハウス内が過湿にならないように、圃場周囲の排水対策を確認しましょう。また、低温・日照不足から高温・多照へ天候が急変することが多くなります。換気や遮光をタイミングよく行って、萎れや徒長を防ぎましょう。
高温によりほうれんそうの生育には厳しい時期になりますので、各産地で選定している夏播き用の品種を利用し、必要に応じて生育中の潅水を積極的に行いましょう。
この時期はべと病が発生しやすく、べと病にはレース(系統)が多くあるため抵抗性品種でも発病する場合があります。ハウス内が過湿にならないよう換気に努めるとともに、株間を広くして風通しを良くし、被害株は随時抜き取り処分します。例年発病が多い圃場では、殺菌剤の予防散布を徹底しましょう。
地上部が萎れる原因は土壌病害や高温障害、タネバエ等です。判断は図1を参照して下さい。
また、コナダニ類、アブラムシ類、アザミウマ類、タネバエ等の害虫の発生に注意しながら、粒剤等による予防防除や発生が見られた場合に効果のある薬剤の散布を行いましょう。



イ キャベツ
コナガやタマナギンウワバ等の害虫の発生が増える時期を迎えています。定植時の処理剤の利用を徹底するとともに、防除が遅れないように注意しましょう。コナガは薬剤抵抗性が発達しやすいので、系統の異なる薬剤によるローテーション散布を基本とします。なお、岩手県内でジアミド抵抗性コナガの発生が確認されていますので、ジアミド系の薬剤は1作型1回の使用に留めるほか、年間の使用体系を考慮して使用して下さい。
また、収穫が終了した圃場で残渣をそのまま放置すると害虫の発生源になりますので、収穫後は早めに圃場を整理しましょう。
結球期に降雨が続くと株腐病の発生が多くなります。結球開始期から株元にも十分薬液がかかるように薬剤散布を行って下さい。圃場の排水対策についても確認しましょう。
ウ レタス
気温の上昇、降水量の増加にともない、すそ枯病、軟腐病、腐敗病等の腐敗性病害や灰色かび病の発生が多くなります。特に大雨が引き金になって、病害が多発する場合がありますので、気象情報等を参考にして、降雨の前後の防除に重点を置きましょう。また、これから定植する作型では、排水の良い圃場を選んで作付けするとともに、前作の残渣を圃場外に持ち出す、地温を抑制するマルチを利用する、適湿の時にマルチを張る等の対策を心がけましょう。
高温期の過剰施肥は変形球や腐敗の発生を招きやすいので、品種に応じた施肥量にするとともに、適期に収穫して品質の向上に努めましょう。
エ ねぎ
生育に応じた追肥、土寄せにより葉鞘の伸長を促しましょう。特に早出しを狙う作型では、無理に土寄せを行い葉鞘が細くならないように注意しましょう。今後、気温の上昇、降水量の増加が予想されますので、圃場の排水対策を確認しましょう。
また、大雨直後に土寄せを行うと軟腐病等病害発生の原因になりますので、圃場の水分が低くなってから行う等作業のタイミングを計り、状況に応じて薬剤防除を行いましょう。



印刷はこちらから→yasai04(PDF301KB)