刈取り始めの目安となる日(出穂後、日平均気温の積算値が950℃に達する日)は、平年より早まることが予想されます。※8/25現在
籾の黄化状況をよく観察し、収穫適期を十分見極めるとともに、余裕をもって収穫できるよう早めの準備を心がけましょう。

■ コンバインや乾燥調製施設の点検、整備は早めに行いましょう。
■ 品質低下を防止するため、完全落水は出穂後30~35日後としましょう。
■ 刈取り適期の判定は、黄化籾割合で80~90%を目安に適期に収穫しましょう。
■ 籾の乾燥は二段乾燥を心がけ、玄米水分15%以下に仕上げましょう。
■ 次年度、品種の切り替えを予定している場合は、今秋からの異品種混入(コンタミ)対策を徹底しましょう。

1 生育状況
県全体の出穂期(盛期)は、8月4日(平年差-1日)となりました(表1)。
地帯別では、北部は平年並~やや遅く(平年差+1日)、その他の地域は平年並~やや早い出穂(同-1~-2日)となりました。



2 気象経過
出穂~登熟初期にあたる8月第1~第2半旬は、最高・最低気温とも平年を大きく上回り、日照時間も多く推移しました。同第3半旬は、日照時間が平年より少なく、気温は内陸部でやや高かった一方、沿岸及び北部では平年並となりました。同第4半旬は日本海側を通過した台風10号の影響で気温が高くなり、また、台風通過や日本海側から伸びる前線の影響で大雨となる日もみられました(図1)。
東北地方の1ヶ月予報(仙台管区気象台8月22日発表)では、平均気温は平年並か高く、降水量は平年並か多く、日照時間は平年並か少ない見込みです。



3 玄米品質を低下させない水管理
(1)登熟期の水管理
落水が早すぎると収量や品質の低下につながります。排水が悪く地下水位が高い水田では、出穂30~35日頃、排水のよい水田では出穂35~40日頃を目安に落水しましょう。
なお、遅植えや直播栽培など、出穂が遅いほ場では、落水の目安日以前に用水が利用できなくなる場合があります。目安日までは水尻を上げておくなど、乾かし過ぎない管理に努めましょう。

(2)台風や大雨時の水管理
台風、大雨等で浸水や冠水の恐れがあるときは、水尻を開けて排水を促しましょう。
浸水や冠水したほ場では、速やかな排水に努めてください。長時間の冠水は登熟に悪影響をおよぼすので、少しでも早く排水し、水稲の葉先を出すことが重要です。
台風通過後は、稲体が水分を失いやすいため、田面を急激に干さないよう、間断かんがいをおこなってください。

4 適期刈取りの励行
本年は開花~登熟初期の8月前半が高温多照で推移したため、登熟の進みが早く、各地域とも刈取り適期が早まることが予想されます。稲穂を良く観察して刈取作業を進めましょう。(図2、表3)
また新米の安全性を確認するための放射性物質調査を全県で実施します。カントリーエレベータ、ライスセンターをご利用の方は施設の稼働時期を確認のうえ刈取り計画をたてましょう。

(1)刈取り適期の予測
刈取り適期は、出穂後の日平均気温の積算値(登熟積算気温)からおおまかに予測できます。
品種ごとに設定されている目安値は表2のとおりです。





(2)刈取り適期の判断
登熟積算気温が950℃に近づいたら、次の手順で判断しましょう。
ア 黄化籾割合のチェック
平均的な大きさの穂を観察し、黄化した籾が1穂籾数に占める割合を確認します。
刈取り適期は「黄化籾割合80~90%」(80~90%の籾が黄化、10%程度が緑色の状態:図3)です。
イ テスト籾すりによるチェック
黄化籾割合が80~90%に達したら、数穂を試しに籾すりしてみましょう。
積算気温による刈取り適期の判断は、栽培法や日照時間によってズレがでる場合がありますので、実際の登熟状態を確認してください。

(3)収穫作業の留意点
ア 籾水分の確認
コンバイン収穫では、作業開始前に籾水分が20~25%にあることを確認して下さい。
また、収穫後の生籾は放置せず、速やかに乾燥調製施設へ搬入しましょう。
イ 水田内で出穂のばらつきが大きい場合
1枚の圃場内で出穂のばらつきが見られ、水口付近などで登熟が大幅に遅れているような場所は、刈分けして品質低下を避けてください。
ウ 倒伏した場合
台風や大雨等により倒伏した場合は刈分けを行い、土が付着した籾や青未熟粒等の混入を避けてください。

5 乾燥・調製の留意点
仕上げ水分は15.0%以下を徹底!!
(1)胴割れ粒の発生防止
・ 火力乾燥においては、1時間あたりの水分減少率(毎時乾減率)を0.8%以下とします。
これ以上乾燥速度を上げると胴割れ粒が発生しますので、急激な乾燥を避け、また過乾燥にならないよう注意が必要です。
・ 4%以上の水分差がある籾を一緒に張り込むことは避けます。
また、籾水分18%の時に一旦乾燥機を止めて放冷・循環常温通風し、その後仕上げ乾燥して籾水分の均質化を図ります(二段乾燥)。
・ 自然乾燥(ハセ・棒がけ)は2週間以内を目安とし、時々掛け替えして乾燥を促しましょう。

(2)籾すり時の肌ずれ、脱ぷの防止
・ 玄米水分15.0%以下の適正水分で籾すりを行います。(肌ずれ米の防止)
・ ゴムロールのすき間は、籾の厚さの約1/2(0.5~1.2mm)が標準です。
・ 脱ぷ率は条件により変化するので、85%程度になるようロール間隔を調整します。

(3)ライスグレーダー
出荷製品用は、LL(1.9mm)の篩い目使用を基本とし、整粒歩合80%以上を目指しましょう。

6 異品種混入の防止
産地から出荷する米穀は「表示銘柄以外の混入のない米」であることが必須です。
異品種混入(コンタミ)が発生すると、品種名の表示ができなることに加え、産地全体のイメージダウンとなります。機械や施設の点検・清掃を徹底しましょう。
コンバイン、運搬機、乾燥機や籾摺機など収穫・乾燥・調製機械や施設内には、前年の籾等が残留している可能性がありますので、これらの機械や施設の点検・清掃を十分に行い、異品種混入を未然に防止しましょう。

7 農作業安全
収穫時期は日没が早まり、例年農作業事故の発生が多くなります。余裕をもった作業計画を作成し、農作業安全に努めましょう。また、作業機に反射シールを貼るなどして交通事故を防止しましょう。



 

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