気象庁発表(9月20日6時45分現在)によると、台風第17号は宮古島の南東を1時間におよそ10キロの速さで西へ進んでおり、23~24日には岩手県へ最も接近すると予想されます。
今後の気象情報に注意するとともに、農作物被害を避けるための防止対策を適切に行いましょう。

人命第一の観点から、圃場の見回り等については、気象情報を十分に確認し、大雨や強風が治まるまでは行わないでください。また、大雨等が治まった後の見回りにおいても、増水した水路その他の危険な場所には近づかず、足下等、圃場周辺の安全に十分に注意し、転落、滑落事故に遭わないよう慎重に行動してください。

水 稲


速やかな排水と冠水後の圃場管理を適切に!!
◎ 事前対策
(1)浸水・冠水時に速やかに排水できるよう、排水設備の事前点検を行いましょう。
・  水田の排水口・暗渠を確実に開放しておきましょう。
・  排水路等にゴミや雑草などが詰まると、本田の浸水・冠水が起こりやすくなります。土地改良区等とも連携しながら、水路のゴミ等はあらかじめ取り除いておきましょう。

◎ 事後対策
(1)浸水・冠水した場合は、速やかな排水に努めてください。
長時間の冠水は玄米品質の低下につながります。また、倒伏した圃場では穂発芽をさけるため、特に排水に留意してください。

(2)倒伏した場合は、収穫時に刈分けを行い、土砂が付着した籾や穂発芽粒、青未熟粒の混入を防止しましょう。

(3)河川水が流入した圃場では、流木やゴミ類が圃場内に残っている場合があります。
機械作業中にこれらが噛み込むと故障や事故の原因となるため、水がひいた後は圃場を点検し、ゴミ類がある場合は取り除いてください。

(4)穂に土砂等が付着している場合、収穫・調製機械に負荷がかかるほか、玄米の汚損による品質低下につながる恐れがあります。特に、冠水した圃場の収穫物を取扱う場合は、作業機のこまめな清掃に努めましょう。

畑作物


排水対策と病害防除を十分に!
◎ 事前対策
(1)圃場表面の排水を促進するため周囲溝や排水口などを点検・補修し、速やかに排水できるようにしましょう。
 
◎ 事後対策
大 豆
(1)圃場にたまった水は直ちに排水し、長時間滞水しないように努めます。倒伏した株は莢が地面に接しないよう、早期に引き上げて子実肥大を促しましょう。
浸冠水被害を受けると一般に病害虫が発生しやすくなります。発生状況を確認しながら必要に応じて防除を行います。
また、台風通過後には、風雨によって葉や莢がもまれ、傷つくことがあります。その結果、傷口から様々な病原菌が侵入し、湿度が高まることによって紫斑病や細菌病等が発生しやすくなります。適切な薬剤を選択し、追加防除を行いましょう。

小 麦
(1)播種作業は無理をせず、圃場が乾いてから行います。

(2)出芽前後の圃場は大雨の影響で、除草剤の効果が不安定になり、湿害を被ることが考えられます。圃場を観察し、今後の管理が難しい場合は、作目転換や播種し直すことも考えましょう。

野 菜


排水対策と施設の保守点検を十分に!
◎ 事前対策
(1)パイプハウスの点検・補強
 被覆資材の破損箇所を補修します。
 パッカーやスプリング等固定部品を点検します。
 ハウスバンドの増し締めや増設により、被覆資材の締め付けを補強します。
 骨組みの強度の弱いところは、筋かいを入れて補強します。
 飛来物による被覆資材の損傷を防ぐため、ハウス周辺の片付けや清掃を行います。
 風が強まってきたら、入口、サイド、天窓、妻窓を完全に閉め、入口は飛ばされないようしっかりと固定します。
 施設を閉め切ることで、湿度が上昇して病害が発生しやすくなりますので、循環扇等で空気を撹拌して予防に努めます。
 換気扇が設置されている場合は、強風時にハウス内の気圧を下げるために稼動します。風が弱まったら直ちに停止します。

(2)大雨に備え、排水溝の整備・点検を行います。特に、圃場外からの侵入水を防止するため、圃場やハウスの周囲にあらかじめ排水溝を設けておきます。

(3)露地圃場やハウス周囲に防風ネットを設置している場合、緩んでいるワイヤーや針金を張り直し、ネットの破れている部分は補修します。

(4)露地圃場では強風で支柱が抜けたり、倒伏したりする恐れがありますので、畦の両端や畦の所々を補強し、支柱の倒伏・倒壊、株の倒伏を防ぎましょう。

(5)支柱・ネット等への茎や枝の誘引状況を点検し、しっかり固定します。また、品目ごとの農薬の使用基準に従って殺菌剤を予防散布します。

(6)被害が予想される場合、収穫可能なものはできるだけ事前に収穫を終えます。
 
◎ 事後対策
(1)排水対策等
圃場にたまった水はただちに排水し、長時間滞水しないように努めます。排水後、圃場作業が可能になったら畦間の中耕を行って土壌中に空気を送り、根の活性化に努めます。

(2)殺菌剤散布・葉面散布
台風通過後は、冠水や多湿、茎葉の損傷等により病気にかかりやすくなっていますので、品目ごとの農薬の使用基準に従って殺菌剤を散布し、病害の発生を未然に防止します。
茎葉に泥土が付着している場合は、動力噴霧機により水をかけて洗い流した後、殺菌剤を散布します。
強風等で傷んだ茎葉や果実を摘除するとともに、必要に応じて液肥を薄い倍率で施用または葉面散布し、草勢回復を促進します。

花 き


排水対策と風による倒伏対策を十分に!
◎ 事前対策
(1)圃場への流入水対策
用水路の点検を行い、ゴミの除去や壊れた箇所の補修を行います。増水によっていつも水が溢れる場所は、土嚢等(肥料袋に土を入れたもので代用可能)で補強します。

(2)支柱・ネットの補強
支柱やネットの強度を点検、補強します。ぐらつく支柱は打ち直すか打ち込み、風の影響を受けやすい圃場は支柱を増設します。ネットは適正な位置に調整し、たるみがある場合はネットの両サイドにロープを入れて補強します。また、横木の設置、増設は、支柱・ネットの補強に有効です。

(3)圃場の排水対策
水のたまりやすい場所は、事前に排水溝を設置します。併せて、排水路を点検し、上述した用水路と同様に対策を講じます。

(4)パイプハウスの点検・補強
野菜の項と共通。

◎ 事後対策
(1)株の立て起こし、支柱・ネットの修復
強風によって株が倒伏・傾倒した場合は、時間が経過するほど茎の曲がりが戻りにくくなるので、風が弱まったら直ちに株を立て起こします。併せて、支柱・ネットを修復します。

(2)圃場の排水
圃場が冠水した場合は、特にキク類で萎ちょう症状(水焼け)が発生しやすくなるので、速やかに圃場外へ排出します。

(3)病害対策
風による茎葉の折損や泥の跳ね上がりによって病害の発生が助長されるので、殺菌剤を散布します。この際、株に付着した泥を洗い落とすために、動噴の圧力を高めにして十分量を散布します。併せて、施設栽培では換気を徹底し、施設内の湿度の低下を図ります。

(4)被害株及び茎葉の除去
出荷不能となった株や折損した茎葉は、圃場外に持ち出して処分します。

果 樹


りんご・西洋なし  暴風対策と被害軽減対策をしっかりと!
◎ 事前対策
(1)収穫期を迎えている品種は、果実品質と、散布した農薬の使用基準、特にも使用時期(収穫前日数)を確認し、収穫が可能なものは、農作業安全に留意しながら、速やかに収穫を進めましょう。

(2)防風ネットを設置している園地では、ネットの張りを点検し、緩んでいるワイヤーは張り直し、破れたネットは張り替えるなど十分に効果が現れるよう準備します。

(3)わい性樹は強風で倒伏することがあるので、主幹を支柱に2~3ヵ所結束します。長大な側枝を持つ樹形であれば、一層、バランスを崩しやすいので、丈夫な支柱で支え、はずれないよう縄で縛り固定します。

(4)高接ぎ樹では大切な更新枝を保護するよう添え木し、幼木も丈夫な支柱を立てておきます。

(5)降雨による表面水を速やかに排水できるよう、予め排水溝を切るなど対処してください。

◎ 事後対策
(1)落果の処理
落下した果実は速やかに収集し、出荷団体や農業共済組合等と協議のうえ、それぞれの用途に応じて適正に処理しましょう。

(2)倒木の処理
斜めに傾いたり、横になった樹体の立て直しは、できるだけ早く行います。ただし、そのまま不用意に引き起こすと、残っていた根も切ることがあるので、倒れた側からスコップで少し掘り下げるなど、注意深く戻します。また、すぐに起せない場合は、露出した根に土をかけるなどして乾かないようにしましょう。

(3)病害予防
園地が冠水した場合や、枝葉や幹に無数の傷が生じている場合には、果実腐敗性の病害やふらん病などの樹体病害感染の恐れがあります。このような場合は、定期防除を早めるか、特別散布で殺菌剤を全面散布し、感染を予防します。また、側枝や大きい結果母枝が折れた場合には、傷口をなめらかに切り、塗布剤を塗布します。

ぶどう  棚の補強と排水対策を十分に!
(1)防風施設の設置、見直しを行います。(りんごの項事前対策(2)に同じ)

(2)棚が倒壊しないよう、棚内部の力線に補助支柱を配し、周囲柱、隅柱を補強しておきます。
また、雨よけハウス等は、ハウスやフィルムが飛ばされないよう、ハウスバンドやフィルム留め具等の点検を行い、ビニールの破損があれば補修しておきます。

(3)降雨による裂果の発生や、土壌が軟弱化しアンカー等が浮き上がることを軽減するため、排水溝を切り、速やかに排水できるよう対処します。

畜 産


飼料畑の排水対策の徹底、停電時対応の確認
◎事前対策
(1)飼料作物を作付している圃場では、排水溝の点検を行い雨水の排水を促します。特に、とうもろこしは湿害に弱いので排水対策を徹底します。

(2)停電により、搾乳が出来ない場合を想定して、発電機の準備や使用方法を確認しておきます。また、可能であれば貯水タンクに水を確保しておきます。

(3)強風により畜舎や施設の破損が懸念されるので、畜舎周辺を点検し、必要であれば修繕や補強を行います。また、畜舎内に雨水が入らないよう排水溝の点検等を行います。

◎事後対策
(1)飼料作物を作付している圃場で、滞水している場合は速やかに排水するよう努めます。飼料作物の収穫時には、飛来物が混入しないように注意します。

(2)強風により、とうもろこしの折損や倒伏が懸念されますが、子実の登熟初期までに倒伏した個体は、折損していなければ立ち直る場合があるので、そのままの状態にしておきます(手で直すと茎・根などが折れることが多く、この場合の被害は逆に多くなります)。

(3)(2)の倒伏したとうもろこしの収穫は、ハーベスタの収穫方向をよく考え、作業機の運行速度を控えめにし、高刈りとするなど収穫時の土壌などの混入を避けます。また、切断長が粗くなりやすいことから詰込み密度を確保するために、十分な踏圧と早期密封に努め、発酵品質の低下を防ぎます。

(4)折損等の被害が著しい場合は、圃場準備を急ぎ、エンバク(年内収穫可能)やイタリアンライグラス、ライ麦(翌春収穫可能)を播種して、自給飼料確保を図ります。

(5)畜舎内への浸水や雨漏りがあった場合、高温多湿となり不衛生になりますので、台風通過後は畜舎やその周辺の排水を徹底し、敷料交換、排せつ物の除去、空気の入れ替え等により乾燥を図り、消毒を実施します。

 

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