◆暖冬少雪の影響で、牧草の萌芽、生育が始まっている地域があります。1番草の収量を確保するために、早めの追肥作業を行いましょう。

牧草


(1)早春に施肥をする重要性
イネ科牧草は、生育期間中で1番草の時期に最も旺盛に成長し(スプリングフラッシュ)、生産量が最も多い時期です。年間収量でみると1番草は年間収量の4~5割を占めます(図1)。
スプリングフラッシュは、牧草の出穂という生殖成長によるもので、越冬したイネ科牧草の茎は出穂のための条件が整っていて、栄養分が十分にある場合は、この現象を起こします。出穂するかどうかは、肥料成分、特に窒素で決まります。
春早くから窒素を十分に吸収していれば、順調に出穂すると考えられます。出穂茎は、穂を支えるために茎が丈夫に育つので、穂のない茎よりも重さが6~7倍になると言われています。

(2)早春施肥
牧草は平均気温5度から生育を開始します。今冬は積雪期間も短かったため萌芽(緑化の始まり)も早まっていると考えられます。イネ科牧草の刈取り適期は出穂期前後ぐらいとされますが、出穂期は萌芽期からの気温と日照時間で決まります。施肥時期を遅らせても出穂期を遅らせる効果は期待できません。
したがって、草地を見回り萌芽を確認し、圃場にトラクタが入れるようになったら、ただちに施肥を行うことが重要です。春の施肥遅れは、遅れた分だけ牧草の生長が妨げられることから、一番草の減収に直結します。
早春の施肥は、速効性のある化学肥料を中心に行います。また、この時期の堆肥やスラリーの大量散布は、収穫までに分解が十分に進まず集草時に混入しやすいこと、さらに牧草中のカリやタンパク含量が高まることで、グラスサイレージの発酵品質低下を招きやすいので避けましょう。
維持管理草地の施肥目安は、表1のとおりです。





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