◆ 花芽は平年並み以上を確保!! 摘花による着果負担の軽減を!!
◆ 暖冬で果樹の生育が記録的に早まる予想!! 凍霜害など気象災害発生のリスクも高まるので、今後の気象情報には注意し、管理作業や災害対策が遅れないように注意!!

りんご


1 花芽の状況
(1)令和2年産りんごの花芽率を、県平均で平年と比較すると、「つがる」・「ふじ」は高く、「ジョナゴールド」はやや高め、となっており(表1)、弱小花芽率はいずれの品種も平年並からやや低めと(表略)、総じて令和2年産りんごの花芽は平年並以上を確保しています。
(2)また、前年(令和元年産)の花芽率と比較すると、「つがる」はやや高く、「ジョナゴールド」は高く、「ふじ」は同程度、となっています(表1)。
(3)昨年夏季の高温条件下で、花芽率が平年より高めであった要因として、花芽形成初期の7月の気温がほぼ平年並みであったこと、5~6月にある程度の降雨があり花芽形成期の土壌水分が確保されていたこと、そして結実率が平年並からやや低めで着果負担が少なかったこと、などが考えられます。



(4)これらから、平年並の結実率を確保できれば、平年並以上の作柄は期待できると推察されますが、特に「ふじ」は例年より開花量が多くなると予想されるので、果実肥大の促進や隔年結果を防止するため、早期の摘花果による着果負担の軽減が重要です。
なお剪定にあたっては、それぞれの花芽の状況を観察し、管理作業の効率化、受光体制の改善、農薬の到達性などに留意しながら実施してください。

2 発芽予測
(1)今冬は記録的な暖冬と少雪が続いており、過去に発芽が早かった平成27年及び14年の気温と比較しても、今年の気温は高い傾向にあります(図1)。
このまま高温で経過すると、りんごの発芽は記録的に早まることが予想され、実際、主要品種で最も発芽が早い「紅ロマン」は、県南部で既に発芽が確認されており、昨年より1週間以上も早く、記録的な生育の進みとなっています。



(2)3月15日時点の「ふじ」の発芽予測では(表2)、予測日以降の気温が平年並で推移した場合、県平均で平年実測発芽日より6日程度早くなっています。
(3)ただし、3月12日仙台管区気象台発表の1カ月予報では、ここ1カ月の平均気温は高いと予報されてます。よって表2の「2.0℃高い」予測結果で経過する可能性が高いと考えられ、その場合は平年より9日以上早まる可能性があり、また「紅ロマン」の発芽状況を考慮すると、これ以上に早まることも十分に考えられます。
(4)今後も気象予報には十分に注意し、記録的に発芽が早まる可能性が高いことを念頭におきながら、管理作業や防除、気象災害対策が遅れないように注意します。



3 作業の留意点
(1)整枝せん定
発芽時期や防除開始時期が早まること予想されますので、整枝せん定作業や片付けは早めに終了させ、今後の作業遅れが生じないようにします。
(2)凍霜害防止対策
りんごの花器は、開花期に近づくにつれ、低温耐性が下がってきます(表3)。今年は高温で生育が早まる可能性が高いため、例年以上に凍霜害発生の危険性が高いと考えられます。
被害軽減のため、燃焼資材の準備、防霜ファンや防霜対策用スプリンクラーの準備・点検など対策の準備を進めましょう。また、凍霜害の事後対策としては、人工授粉による結実確保が重要なので、花粉の準備・確保も合わせて進めます。



4 病害虫防除
(1)生育が早まっているので、休眠期や発芽期の防除タイミングを逃さないよう、生育状況をよく確認するとともに、薬剤や用水の確保を進めます。
(2)病害虫の早期発生も懸念されるため、それぞれの園地の発生状況や、病害虫防除所が発表する発生予察情報等を参考に、適時適切な防除に努めます。
(3)昨年、県内でも黒星病が広く発生しており、その被害を防ぐためには、春先の防除対策が最も重要です。具体的な防除対策は、令和2年3月6日発行の令和2年農作物病害虫発生予察情報第1号を参考としてください。
また、改植等で苗木を定植する際は、菌が苗木先端の頂芽にりん片越冬している可能性があるため、定植後は必ず頂部先端を切り返します。そして苗木および未結果樹についても、成木と同様に春先から薬剤防除を徹底します。



 

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