◆ 日照の少ない状態が続いています。受光体制・着果量の改善、病害虫防除を徹底しましょう。
◆ りんごの果実生育は平年を上回っていますが、果形不良やサビ果がみられます。良質果を収穫するため、引き続き見直し摘果を進めてください。
◆ ぶどうは品質向上のため、適切な着果管理を行いましょう。

りんご


1 生育概況について
定点観測地点の果実生育(横径)調査結果を県平均でみると、7月21日時点で、天候が良好だった昨年(昨年比95~97%)よりやや劣りますが、平年比99~103%とおおむね平年並みに生育しています。
なお、凍霜害の影響でサビ果や変形果、降雹の影響で傷果の発生も見られるので、良質な果実を見極めつつ花芽形成を促すため、早期に適正着果数となるよう見直し摘果を進めましょう。



2 栽培管理のポイントについて
りんごは、現在、来年の花芽形成期に入っており、日照不足による花芽形成の抑制が心配されます。また、多湿条件下で病害の感染・発生が懸念されます。日光や薬剤が樹幹内部まで通るように誘引や徒長枝の整理を行い、樹幹内部の受光体制の改善に努めてください。日照不足による光合成能の低下により果実肥大の鈍化も懸念されますので、生育不良果等を中心に摘果を行い、着果量を見直します。
りんごの早生品種の収穫の際は、果実の着色と内部品質が一致しないまま収穫期を迎える場合があります。特にも、りんごでは果肉の硬度や地色の抜けに注意して、収穫が遅れないよう適期収穫に努めてください。

(1)摘果の見直し、誘引、徒長枝の整理について
仕上げ摘果がほぼ終了し、これから見直し摘果になります。着果の多い部分や病虫害果、傷果などを摘果して行きます。「ふじ」では、生育不良果、つる割れ果が見えてきますので、随時摘果します。
樹体管理では、枝の誘引、徒長枝の間引きなどを行い、樹冠内部の日光や薬剤のとおりを良くします。また、台風などに備えて、支柱との結束の確認、園地の排水対策を行います。

(2)早生種の着色管理
 早生種の葉摘み開始時期は、収穫予定の10~20日前です。
 果そう葉を中心に、最初は軽く2~3枚程度摘みます。
 陽光面の着色が進んだら、葉や枝カゲをつくらないように玉回しを行うとともに、適当な強さに葉を摘みます。必要以上の葉摘みは、逆に着色が進まないので避けます。
 着色適温は10~20℃です。残暑で最低気温が20℃を超える日が続く場合は、いくら葉を摘んでも着色が進み難くなりますので注意してください。
 「紅ロマン」の着色管理は、1回目の葉摘みは、収穫予定の10日前頃に果実に触れている葉を軽く摘み、2回目の葉摘みは1回目の1週間後を目安に、玉回しと併せて行います。
着色は容易なため、最小限の葉摘みを心掛け、早すぎる葉摘み、強すぎる葉摘みは、糖度が上がらない原因となり、日焼けの原因にもなるため注意してください。また着色管理により日焼けを起こす可能性が高い場合には、無理に着色管理を行わないようにします。

(3)落果防止剤の散布
収穫前落果しやすい「つがる」や「きおう」には、落果防止剤を上手に使用して落果を抑えます。使用の際は、必ずラベルの登録内容を確認してください。特に「きおう」の内部裂果で早めに熟す果実の取り扱いは、農薬の使用基準に違反しないよう厳重に注意してください。

(4)早生種の収穫
 一般に、りんごは満開後一定の日数で成熟する傾向があり、この日数は品種によってほぼ定まっています。今年の満開日から見た収穫期の目安は表2のとおりですが、これは北上市成田の満開日より算出しており、県南の平場ではこの予想日より早まることも予想されます。
また、現時点の1ヶ月予報(7/23発表)による天候の見通しは、気温は低く、降水量は平年並みまたは多く、日照時間は少ない見込みです。従って、日照不足により着色が緩慢となる可能性もあるため、過度な着色は期待せず、食味・硬度等を確認の上、適期収穫をこころがけてください。
 すぐりもぎが基本です。特に熟期が不揃いな「つがる」や「きおう」は徹底しましょう。
 「紅ロマン」は、着色が先行するため、食味を確かめ、香りや果汁が十分に出てから収穫してください。地色はいくらか青みが残る程度を目安とし、果肉が白いうちに収穫します。また、果実品質を保持するため、収穫期に高温が続く場合は、果実温度が低い朝に収穫し、できるだけ早く出荷(予冷)してください。
 「きおう」は、ツル浮き(内部裂果)が発生しやすく、裂果したものは正常果よりも早く熟しますので、特に収穫前半はツル浮き果が混入しないよう注意してください。8月に入って降水量が多いとツル浮きが発生しやすいので、特に注意が必要です。
オ 「つがる」は、収穫後の果肉の軟化が早く、収穫が遅れると果面に油上がりが発生しやすいので、地色に注意して遅取りを避け、収穫後はできるだけ早めに予冷してください。
 落果防止剤にストッポール液剤を散布した場合は、散布日から8日以上空けて収穫します。



(5)「紅いわて」の収穫前管理
「紅いわて」は着色の非常に良好な品種であるため、軽い葉摘み作業でも十分に着色します。陽光面が着色した時点で果面に付着している葉を取り除き、枝かげをつくらないよう軽く玉まわしを行います。「紅いわて」はつるが短い傾向にあるため、玉まわし作業は慎重に実施してください。

(6)夏季せん定(わい性樹)
 樹勢の強い樹を対象に、8月下旬~9月上旬にかけて行います。
 側枝の上面から発生している30cm以上の直上枝を間引くほか、30cm以下の新梢でも枝量と混み具合をみて日光、薬剤が通る程度に適宜間引きます。
 なお、過大な夏季せん定は樹勢を弱めるため、紋羽病の発病誘因となることがありますので、発病の恐れのあるところでの夏季せん定は最小限にとどめてください。

3 病害虫防除について
(1)褐斑病の早期発生が、県内で広く見られています。発生が確認された場合は、速やかにトップジンM水和剤またはベンレート水和剤で特別散布を実施してください。ただし、ラビライト水和剤を既に使用した場合は、耐性菌対策のためユニックス顆粒水和剤47を使用します。
また、前年多発園で、本年、これまでに本病を対象とした特別散布を実施していない園地では、発生の有無にかかわらず、速やかに特別散布を実施してください。
(2)黒星病については、県内広く発生を確認しています。他病害との同時防除を兼ねて、本病に効果のある予防剤を定期的に散布してください。その際には散布ムラがないように十分な薬液量を丁寧に散布します。また、降雨が予想される場合は、降雨前に散布を行ってください。そして、園地を見回り、発生が確認された場合は見つけ次第、発病葉や発病果を摘み取り、土中に埋めるなど適正に処分してください。苗木など未結果樹での発生にも注意し、成木と同様に薬剤防除を徹底します。
(3)果樹カメムシ類による被害果が広く確認されています。園地をよく観察し、大量の飛来が確認された場合は、MR.ジョーカー水和剤、アクタラ顆粒水溶剤、キラップフロアブル等の効果の高い薬剤により速やかに防除を実施してください。
(4)梅雨明け以降、ハダニ類の発生も懸念されます。主幹近くの新梢葉(普通樹では主幹や主枝の徒長枝葉)をよく観察し、要防除水準に達した場合は直ちに防除を実施してください。
(5)その他の病害虫についても、病害虫防除所の発生予察情報や防除情報を参照し、園地の発生状況をよく観察して、適期防除に努めてください。
(6)早生品種の収穫が近づいています。8月の薬剤散布は、農薬の使用基準(特に収穫前日数)をよく確認して、間違いのないよう注意してください。除草剤についても同様です。

ぶどう


1 生育概況について
定点観測地点(紫波町)の「キャンベルアーリー」の調査結果では、開花期(6月上旬)の天候に恵まれたため、結実率は平年より良好です。新梢生育、房長、果粒肥大は概ね平年並みで、全体的には順調に生育しています。
しかしながら、今後は7月の日照不足の影響が心配され、特にも成熟の遅れが懸念される場合は、新梢管理で棚面の明るさを確保するとともに、必要に応じて摘房等着果調整を行います。



2 栽培管理のポイントについて
(1)摘粒の見直し
果房の形を整え、品質を向上させるため、着粒の多い密着房、裂果粒、病虫害果粒を中心に摘粒を実施します。1房当たり粒数の目安は、「キャンベルアーリー」、「ナイアガラ」が70粒程度、「サニールージュ」が50粒程度、「シャインマスカット」が40~50粒、「紅伊豆」が30~40粒、となりますので、見直しを行ってください。

(2)摘 房
果実の糖度や着色など品質を向上し、樹体の養分の消耗を防ぎ、翌年の花芽の充実を良くするため、適正着房数を目標に摘房を実施します(表4参照)。
「キャンベルアーリー」で、樹勢が弱い場合は、1房当たりに必要な葉数(概ね15~24枚で1房、25枚以上で2房)に応じて着房数を制限してください。
「紅伊豆」などの大粒種で、樹勢をコントロールする目的で1新梢2房としている場合でも、着色や糖度の上昇の遅れ、樹体の凍寒害発生を防ぐために、着色開始を目途に最終房数としていきます。
特にも8月の日照時間が平年並か少ない予報となっており、着色遅延による収穫の遅れで、果実品質の低下や樹体の耐凍性の低下が懸念されますので、早期に適正着房数へ摘房するとともに、場合によっては着房数を基準より減らして、着色促進を図ることも必要です。



(3)新梢管理
棚面を明るくして果房の着色を向上し、樹勢をコントロールして養分の浪費を防ぐため、勢力の強い新梢を中心に間引きや摘心を行います。硬核期以降(7月下旬以降)に実施しますが、①赤色系品種、②紫黒色系品種、③白色系品種の順に棚面を明るくするようにします。
短梢栽培では、葉数確保のため副梢についても基部から2~3枚の葉を残して摘心していきます。しかし、混み合っている場合は適宜間引いてください。

(4)収 穫
今年の収穫は、若干早まることが予想されます。ただし、日照不足の影響で着色が遅れる可能性もありますので、過度に着色を待たずに、糖度などの食味に留意しながら(表5)、適期収穫に努めましょう。収穫に当たっては、農薬使用基準の使用時期(収穫前日数)には十分に注意してください。
収穫は、果実温度が低い早朝から午前中に行います。降雨後は、糖度も下がり、輸送中の腐敗も多くなるので避けるようにしてください。選果・調整は、果粉を落とさないように穂柄を持ち、未熟果、腐敗果、裂果等を除き、出荷形態に即して房形を整え出荷してください。



(5)裂果対策
収穫直前の急激な土壌水分変化は、裂果の発生を助長(写真1)します。土壌が乾燥し過ぎないよう、こまめな雑草の刈り取り、樹冠下に敷きワラ等でマルチするなどの対策を実施します。また、降雨があった場合には、過剰な水分を早期に排水できるよう、根域の周辺にビニール等を敷く、溝掘り(明渠)するなどの対策を実施します。
「紅伊豆」などの雨よけハウス栽培では、温度が高くなりやすいハウス中央部などで果実の着色不良や果肉の軟化が、裂果や脱粒を引き起こすことがあります。気温が高くなると予想される日は、サイドのビニールを巻き上げる、換気扇を利用する等温度が上がりすぎないよう努めます。

3 病害虫防除について
病害虫の発生状況に応じて防除を実施しますが、収穫が間近になってきております。薬剤散布や収穫開始時には、農薬の使用基準(収穫前日数、散布濃度、使用回数)や今年度の散布履歴を確認し、問題の無いことを確認したうえで作業を開始してください。
薬剤によっては、果粉の溶脱、果面の汚れなど品質を損ねることがありますので、薬剤を選択する際は注意してください。



 

印刷はこちらから→kajyu05(PDF320KB)