① 1年おきの隔年防除は、防除翌年も当年の要防除水準に達しないため、実用的な防除法である。
② 1年おきの隔年防除では、生産者自らが実施する毎年の発生密度調査は不要である。

1 背景
水稲初期害虫の隔年防除は、箱施用殺虫剤により数年に一度防除することにより初期害虫(イネミズゾウムシ、イネドロオイムシ)を数年間無防除とする技術であり、県では生産コスト低減手法として推進しているが、その実施にあたっては発生密度を毎年調査することとしている(H15試験研究成果)。現在、江刺地域では平成27年からJA単位で1年おきの防除に取り組んでいるため、広域的な取組地域における初期害虫の発生密度と食害程度の年次推移を明らかにし、本技術の普及拡大に資する。

2 江刺地域における隔年防除及び発生密度調査の取組概要
(1)防除体系:平成27年から1年おきの防除に取組。



(2)発生密度調査
・ 予察体制:江刺新稲作運動推進協議会(JA、NOSAI、市、普及センター)
※病害虫防除所が調査協力
・ 調査時期:毎年5月下旬~6月上旬
・ 調査規模:管内10地区(旧営農センター単位)、地区内の3箇所各2圃場(1圃場25株)を調査。

3 初期害虫の発生密度と食害程度の年次推移
(1)イネミズゾウムシ
・ 発生密度は、無防除年(H27、H29)は当年の防除要否の判断基準(侵入盛期の成虫数8頭以上/25株)には達しなかった(図1(a))。
・ 食害程度は、無防除年(H27、H29)は防除年(H26、H28)に比べて高くなる傾向がみられたが、以降の生育及び収量には影響しないレベルであった(図1(b))。
(2)イネドロオイムシ
・ 発生は確認されなかった。
(3)以上から、1年おきの隔年防除は、実用的な防除法である。

4 隔年防除における発生密度調査
(1)1年おきの隔年防除では、防除翌年は当年の要防除水準に達しないため、生産者自らが実施する毎年の発生密度調査は不要である。

5 留意事項
(1)複数年防除間隔を空ける場合は、同一地域内でもイネミズゾウムシの発生密度が大きく異なるため、無防除2年目から発生密度調査を実施する。

6 参考文献
(1)「数年に一度の地域一斉防除で水稲初期害虫を防除できる」(平成15年度試験研究成果書(指導))
(2)「低コスト稲作栽培技術マニュアル」(岩手県稲作生産コスト低減推進会議 平成29年3月)



詳細は、以下のPDFファイルでご確認ください。

隔年防除の取組地域における水稲初期害虫の発生推移

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