7月27日から28日にかけて、各地で大雨に見舞われ、圃場への浸冠水や湿害の発生、土砂流入など農作物への被害が発生しています。また、6月下旬からの日照不足により、作物の生育が軟弱徒長気味となっており、病害が発生しやすい状態となっています。
 排水対策や病害対策を中心に作目や圃場の状況に応じて適切な対策を講じてください。

農作業安全


事後対策等は安全を確認してから!
(1)現在、道路が通行止めとなっているところもあります。被害確認のための圃場の見回りや事後対策を実施する際は、河川の増水中や圃場が浸水している時は危険なので近づかないでください。また、土砂崩れなどの恐れがある場所へは、安全が確保されるまでは立ち入らないでください。
(2)圃場に入る際には、作業道等がぬかるみ、路肩が崩れやすくなっていることが考えられます。農業機械が横転する危険がありますので、作業時には十分に注意してください。

水稲


速やかな排水と圃場管理を万全に!!
県内の水稲は減数分裂期~穂ばらみ期に入っており、冠水の被害を最も大きく受ける時期となっています。特に濁水(泥水)が流入した場合、冠水時間が長いほど減収率は高まるため、できる限り早めの排水に努めてください。また、いもち病などの病害にかかりやすい稲体となっているため、退水後、ただちに茎葉散布による防除を実施してください。
(1)水管理
・ 流入した濁水等を速やかに排水し、新しい用水と入れ替える。
泥が大量に流入した場合は、排水後に速やかに圃場の周縁部及び条間に、泥をかき分けるように溝をきり、新しい用水が均一にゆきわたるようにする。
・ 冠水したイネは、水分を消耗しやすくなっていることから、排水後、出穂開花期までは水を切らさない管理とする。なお、高温時は、稲体の消耗を抑えるため、積極的な水の入れ替え(夜間かんがい)を行う。
(2)ゴミ・堆積物等の撤去
・ ほ場の排水口・排水路にゴミなどが詰まった場合は、速やかな排水に支障をきたすだけではなく、再び降雨があった場合にも浸冠水しやすくなる。
このため、退水状況をみて安全な立入りが可能となった場合は、(必要に応じ土地良区など関係機関と連携しつつ)早めに排水設備を点検し、機能復旧に努める。
・ 泥が流入した圃場では、その後に稲体の窒素濃度が高まり、いもち病などのリスクが高まる。このため、生育回復等の追肥はしないこと。また、次年度の施肥は減らす必要があるので留意する。
・ 圃場内にある流木や瓦礫・土砂などの漂着物は、機械収穫などの作業に支障をきたすので、退水後、できるだけ速やかに取り除く。ただし、状況によっては工事等が必要な場合があるので、無理な作業は行わず、関係機関に相談した上で対応する。
(3)防除
・ 冠水した水稲は病害虫に対する抵抗力が低下しやすく、特にいもち病に感染しやすくなる。このため、穂いもち予防粒剤を散布した圃場においても、退水後、ただちに茎葉散布による防除を実施する。
・ なお、液剤で防除する場合は、葉に付着した泥を落とすように、使用基準の範囲内で散布量を多めにして実施する。

大豆


一刻も早い速やかな排水を!!
(1)圃場が浸水、あるいは冠水した場合は、一刻も早く排水する必要があります。圃場内のゴミ等を除去して、土壌表面水の速やかな排水に努めてください。
(2)倒伏した株は、地面に接しないよう株どうしを重ねて持ち上げておきます。また、根の健全化を図るために、圃場表面が乾いてから畦間を浅く中耕したり、乗用管理機でうね間を走行するなどして、根圏に酸素を供給します。圃場に入れるか確認して慎重に作業してください。
(3)生育回復のために追肥を行います。速効性の肥料を使用し、追肥量は窒素成分で10aあたり3~4kgとします。
(4)湿害の影響により、大豆の生育が停滞するため、雑草害が甚大になることがあります。茎葉処理除草剤を利用して、雑草害を軽減してください。

野菜


排水対策等を早急に行い、草勢回復に努めてください
(1)停滞水を直ちに排水するとともに、付着した泥土を洗い流してください。
(2)冠水や多湿によって病気の発生が懸念されるので、品目ごとに使用基準に従い殺菌剤を散布して予防に努めてください(特にべと病、疫病、立枯性疫病など)。
(3)生育回復を図るため、被害葉や被害果、くず果の整理を早めに行ってください。また、整枝、誘引などの管理を徹底し、草勢の回復に努めてください。
(4)圃場表面が乾いたら、畦間の中耕を行うなど土壌中の空気の流通を図り、根の活性化に努めてください。
(5)障害の状況に応じて、液肥の葉面散布など追肥を行い、草勢の回復に努めてください。
(6)浸冠水や土に埋没するなどして、回復の見込みのない場合は直ちに整理し、代替野菜の作付を検討してください。秋野菜では、はくさい、だいこん、かぶ、つけな類等があげられます。は種限界の目安は次のとおりですので参考にしてください。
はくさい:県中南部8月中旬
だいこん:8月下旬
かぶ:9月下旬
つけな類・中国野菜:9月下旬

花き


排水対策と事後の栽培管理を速やかに!!
(1)滞水している圃場は、溝切りなどにより速やかに排水を促します。特に、きく類は過湿の影響を受けやすいので、早急に作業を行います。
(2)株が倒伏・傾倒した場合は、時間が経過するほど茎の曲がりが戻りにくくなるので、直ちに株を立て起こします。併せて、支柱やネットの緩みを修復します。
(3)茎葉の折損や損傷のひどい部分は除去します。また、病害の発生を防ぐため、殺菌剤を散布します。
(4)草勢が弱った場合は、液肥の葉面散布等により回復を図ります。

果樹


被害の軽減に努めましょう
(1)滞水した圃場は溝を切るなどして排水に努めます。
(2)枝のごみ、果実の泥を排除するとともに、果実腐敗性の病害や斑点落葉病・褐斑病等を防止するために、殺菌剤を散布して感染を予防します。また、果実に腐敗等が確認された場合は速やかに取り除きます。
(3)斜めに傾いたり、横になった樹体は、そのまま不用意に引き起こすと、残っていた根も切ることになるので、倒れた側からスコップで少し掘り下げるなど、注意深く戻します。

飼料作物


排水対策、草勢回復に努めましょう
(1)滞水等がある圃場においては、溝を切るなどして速やかな排水に努めます。
(2)土砂の流入により収穫が見込めない圃場は、草地更新、草地への転換または年内に収穫可能な「エンバク」の作付けを検討します。播種適期は8月下旬となりますので、播種が遅れないよう土壌改良材、種子、肥料等の手配や圃場準備を急ぎます。
(3)牧草は、圃場が乾いたら速やかに二番草の収穫を行うとともに、草勢を確保するため追肥を確実に行います。
多湿条件下でのサイレージ調製では、予乾牧草が高水分になりやすいため、生菌製材等の添加により、良質発酵に努めます。
また、大雨により圃場内に土砂が流れ込んでいる場合があります。刈取り前に見回りを行い、できるだけ土砂が入らないよう丁寧に収穫作業を行い、酪酸発酵を防ぎます。
(4)飼料用とうもろこしにおいて、湿害等による生育不良が認められる場合は、とうもろこしの草丈等を考慮し、作業可能であれば追肥を行います。
◎追肥の目安 窒素1~2kg/10a(硫安ならば5~10kg/10a)

 

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