トマト黄化葉巻病の発生について

1.発生状況
(1)平成30年5月、県内の施設栽培トマト圃場において、生長部の萎縮、葉脈間および葉縁部の黄化症状を呈する株が認められた。
(2)岩手県農業研究センターおよび(公財)岩手生物工学研究センターに同定を依頼した結果、トマト黄化葉巻ウイルス( Tomato yellow leaf curl virus(TYLCV))の感染が確認され、トマト黄化葉巻病であることが判明した。
(3)県外業者から購入した株にのみ発生しており、発生状況から感染株の持ち込みによるものと考えられる。
(4)媒介虫であるタバココナジラミ バイオタイプQの発生も認められたが、発病株の抜き取り等防除対策を実施した後は、新たな発生は確認されていない。
(5)本病は、平成8年に静岡県、愛知県、長崎県で初めて発生が確認され、西日本および関東を中心に39都府県で発生が確認されている。

2.病徴
(1)発病初期は新葉が葉縁から退緑しながら葉巻症状を呈し、症状が進行すると葉脈間が黄化し縮葉(図1)となる。さらに病勢が進行すると、頂部が叢生し、株全体が萎縮する(図2)。
(2)発病前に着果した果実は正常に発育するが、発病後に開花した場合は結実しないことが多い。
(3)感染から発病までの時間は温度や株の大きさによって異なり、25℃の条件下では発病までに3週間程度かかるが、低温期には症状がはっきりせず、発病までの期間も長くなる。



3.病源と伝染
(1)本ウイルスはタバココナジラミ(主にバイオタイプBおよびQ)によって媒介される(図3、平成19年度特殊報第1号、平成22年度特殊報第1号参照)。なお、本種に近縁のオンシツコナジラミは本ウイルスを媒介しない。
(2)タバココナジラミは幼虫、成虫ともに罹病植物を吸汁することでウイルスを体内に取り込み、伝搬能力を獲得する。経卵伝染はしないが、保毒虫は死亡するまで永続的に伝搬能力を有する。
(3)本ウイルスは、種子伝染、土壌伝染、管理作業等による接触伝染は確認されていない。
(4)国内で本病の自然発生が確認されているのは、トマト、ミニトマト及びトルコギキョウである。その他、キク科(ノゲシ、ヒャクニチソウ)、ナス科(タバコ、チョウセンアサガオ、ペチュニア、ピーマン、ジャガイモ)、マメ科(インゲンマメ、ヒラマメ)等8科18種以上の植物で感染が確認されているが、感染しても無病徴の場合がある。



 

4.防除対策
(1)苗の購入に際しては、ウイルス感染やタバココナジラミの寄生がない健全苗であることを確認する。
(2)罹病株は見つけ次第抜き取り、ビニール袋に入れて密閉し、株が枯れた後に土中に埋没するなどして処分する。
(3)発生圃場では、ウイルス保毒虫の拡散を防ぐため、施設開口部に防虫ネット(目合い0.4㎜以下)を設置するとともに、薬剤防除を徹底する。
(4)施設や圃場周辺の雑草や野良生えトマトは、タバココナジラミおよびTYLCVの発生源となるため適切に除去する。
(5)施設栽培では、栽培終了時には残渣や雑草を施設から持ち出し、施設を密閉して蒸し込み、タバココナジラミを死滅させる。
(6)タバココナジラミは東北地方の屋外では越冬できないと考えられているが、本圃に加えて育苗施設内では越冬場所になり得るため、不要な花き類や雑草は除去する。

詳細は以下のPDFファイルでご確認ください。

H30特殊報第1号(トマトTYLCV)

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