レタス根腐病(レース2)の発生について

1.発生状況
(1)令和元年8月、県北部のレタス圃場において、外葉の黄化や萎凋症状を呈する生育不良株が確認された(図1、2)。
(2)岩手県農業研究センターにおいて、生育不良株の維管束組織から菌を分離して同定を行ったところ、Fusarium oxysporum f.sp. lactucae Matuo & Motohashi であることが確認され、本県未発生のレタス根腐病と判明した。
(3)国内で発生するレタス根腐病菌は、レース1、2、3の3つのレースに分化しており、ビオチン要求性検定、レース判別品種検定およびPCR検定を行ったところ、分離菌はレース2と判定された(表1)。
(4)本病のレタスにおける発生は、平成8年に長野県で初めて特殊報が発表され、これまで5県で確認されている。また、レース2の発生は東北地方では初確認である。

2.病徴
(1)発病初期は外葉の一部が葉縁から黄変・萎凋し、外葉からの枯れ上がりがみられる(図1)。その後、症状が進むと株全体がしおれ、重症株は枯死に至る(図2)。軽症株でも結球が不十分となり、収穫が不可能となる。
(2)主根を縦に切断すると維管束の褐変がみられる(図3)。重症株ではクラウン部付近が空洞化する。
(3)発病株は、圃場内で連続的に発生する傾向がある。

3.病源と伝染
(1)病原菌は糸状菌の一種で、レタスやサラダナ等、レタス類にのみ感染する。
(2)土壌伝染性の病害で、発病株の根部に形成された胞子が土中に残り、感染源となる。病原菌は根から感染し、導管を侵して生育を抑制する。
(3)病原菌の生育適温は28~30℃と高温であり、夏季に定植・生育する作型で発生が多い傾向がみられる。





4.防除対策
本病に対する登録農薬として土壌消毒剤があるが、県内の作型における防除効果や薬害発生等に対して知見がないため、当面は耕種的防除を組み合わせた対策を講じる。
(1)発生防止対策
ア レタス根腐病に対する品種の耐病性は、レースの種類によって反応が異なる。このため品種選定の際は、本レース2に耐病性を有する品種を選択する。
イ 連作で発生が増加するため、レタス類以外の作物との輪作を行う。
ウ 育苗土は無菌の購入培土を用い、セルトレイ等の育苗資材は新しいものか殺菌済みのものを用いる。
エ 未発生圃場への汚染土壌の移動を防止するため、トラクター等の農機類を洗浄する。
(2)発生時の対策
ア 発病残渣は鋤き込まずに、ビニール袋等に密封して太陽熱で高温殺菌したり、レタスを作付けする可能性がない場所の土中深くに埋めるなど、適切に処分する。
イ 発病圃場の土壌を圃場外に持ち出さないため、発病圃場での作業が最後になるよう計画し、作業終了後は農機類や長靴等の洗浄を徹底する。
ウ 被害残渣や汚染土壌が飛散すると発生拡大の原因となるため、圃場周縁部や休耕地には麦類を栽培したり、防風ネットを張るなどして飛散防止につとめる。また、圃場には明渠を設置して、雨による土壌の流出を防止する。
エ 高温期の作型では地温上昇抑制マルチを用いるほか、夏季の栽培はできるだけ避ける。



印刷用には、以下のPDFファイルをご利用下さい。

R1特殊報第1号(レタス根腐病レース2)


【利用上の注意】
・農薬は、使用前に必ずラベルを確認し、使用者が責任を持って使用しましょう。
・農薬使用の際には、(1)使用基準の遵守(2)飛散防止(3)防除実績の記帳 を徹底しましょう。
【情報のお問い合わせは病害虫防除所まで】   TEL 0197(68)4427   FAX 0197(68)4316
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