病害虫防除技術情報No. 28-2


緑化期の低温が生物農薬によるばか苗病防除効果に及ぼす影響




①ばか苗病の多発事例:生物農薬による消毒済み種子を使用した大規模育苗施設では、低温時期に緑化した育苗ハウスにおいてばか苗病が多発生した。
②生物農薬の安定的な使用法:緑化期に低温に遭遇すると生物農薬の効果が不安定になるので、ハウス内で緑化する場合には低温に遭遇させないよう、被覆資材等により保温に努める。


1 背景
イネばか苗病は、平成23年度から実施してきたクリーン作戦(化学合成農薬による消毒済み種子の広域使用)によって少発傾向になったことから、平成28年度から生物農薬タフブロックSP(以下、生物農薬)による消毒済み種子が県中南部で広く使用された(図1、表1)。
生物農薬は本病に対する防除効果が不安定であることから、大規模育苗施設における多発事例を取りまとめ、効果的な使用法の普及定着に資する。


2 大規模育苗施設におけるばか苗病の発生状況
(1)消毒法別では、温湯消毒>生物農薬>化学合成農薬(DMI剤)の順に発生が多かった(表1)。
(2)生物農薬は、使用施設(H28:22施設)によって発生の多少にばらつきが見られた(図2)。


3 ばか苗病の多発要因
(1)ばか苗病の発生が多い育苗施設では、特定の育苗ハウスで発生が多く、以下の共通点が認められた。
①緑化始期の低温遭遇
・ 4月第2半旬に播種・出芽した苗箱を4月第3半旬に展開した育苗ハウスで多発生した(図3)。4月第3半旬の気温は、県中南部では4/11〜13の最低気温が5℃未満、山間部では氷点下であった(図4)。
②ハウス内の温度管理が不十分
・ 発生が多い育苗ハウスは、風当たりが強い場所に立地している(施設A・C)、ビニル被覆が不完全である(施設B)など、低温遭遇時への対応が講じられていなかった(図3、5)。


4 生物農薬の安定的な使用法
(1)出芽時及び緑化期に低温に遭遇すると生物農薬の効果が不安定になるので、加温出芽を行うとともに、ハウス内で緑化する場合には低温に遭遇させないよう、被覆資材等により保温に努める。


図1 表1
図2 図3
図4 図5
詳細は、以下のPDFファイルでご確認ください。

緑化期の低温が生物農薬によるばか苗病防除効果に及ぼす影響
−ご注意−
ダウンロードPDFファイルは全てウイルスチェックを行っていますが、万一のためにダウンロード後再度ウイルスチェックをすることをおすすめします。