1 種子消毒~浸種  
(1)水温は12~15℃程度を確保します。
 10℃以下の水温は、出芽の不揃いや、種子消毒(生物農薬;消毒済み種子を含む)の効果の低下を招くので避けて下さい。
 また、昼夜の寒暖差を小さくするため、「屋内で種子消毒・浸種を行う」「コンパネや被覆資材でフタをする」「催芽機を利用する」などの工夫を講じましょう。
(2) 浸種期間は7~10日(積算温度100℃程度)とし、長期間の浸種は避けましょう。

2 催芽
(1)細菌病対策のため、催芽器・育苗器(蒸気催芽)とも温度30℃を厳守します。
(2)循環式ハト胸催芽器を用いる場合
催芽器内に入れた桶内で催芽する等、種子まわりの水を循環させないよう工夫しましょう(図1)。なお、桶内の水温は、催芽機の設定温度より1~2℃低くなるので、適宜調温してください。



3 播種~出芽
(1)加温出芽を基本とします。

細菌病対策のため、出芽温度は30℃を厳守してください。
(2)出芽長の目安
稚苗1cm、中苗0.5cm程度です(図2)。

4 ハウス展開後の管理
(1)温度管理(慣行育苗・プール育苗共通)
ア 低温が予想される場合(5℃以下の低温や霜注意報時)は、ハウスを閉め、必要に応じて被覆資材で保温してください。
 晴天時は、朝早めにハウス・トンネルを換気し、日中25℃を超えないよう管理してください。
 種子消毒に生物農薬を用いた場合(消毒済み種子を含む)は、消毒効果を安定させるため、硬化初期までは、10℃以下の低温を避けて管理します。


(2)かん水(慣行育苗)
 かん水は基本的に朝1回(9時ごろまでに)、床土に水が十分に浸透するよう行います。
 過かん水の場合、低温に遭遇するとムレ苗が、高温では細菌病が発生しやすくなります。
特に夕方のかん水は、床土内の暖まった空気を冷やし、ムレ苗の発生原因となるので避けましょう(乾き過ぎで夕方のかん水が必要となる場合は、しおれ防止程度にとどめます)。

(3)プール育苗の水管理
 1回目の水入れは、緑化終了から必ず2~3日以内に行います(細菌病対策)。このときの水深は、水没による生育不揃いを防止するため、苗箱の培土表面より下の位置とします(図3左)。
 2葉目が出始めたら培土表面が隠れる程度の水位を確保します(図3右)。
 水温が30℃を超えたら、新しい水と入れ替えて温度を下げます。
 プールの落水は、田植えの2~3日前とし、極端に早い落水は避けましょう(しおれ対策)。

5 育苗期病害の対策
(1)育苗期の細菌病類に関する注意報が発令されています。  
令和元年の育苗では、緑化期が高温で経過した育苗ハウスにおいて細菌病が発生する事例が複数確認されました(表2)。
育苗期間中の高温(特に催芽・出芽時30℃超、緑化~硬化初期25℃超の条件)や、過湿条件(かん水のやりすぎ、プール育苗では入水後の水位不足)は、発生を助長します。
特に低温時に保温資材を被覆した場合は、翌朝晴天になると、短時間に苗箱周りの温度が上昇するので、資材の除去及び、ハウス・トンネルの換気を早めにおこなってください。



👉 詳しくは・・・
「岩手県病害虫防除所 令和2年度病害虫発生予察情報 注意報第1号」 
いわてアグリベンチャーネット https://i-agri.net/Index/gate003/003/18561

(2) 種子消毒に生物農薬を使用する場合
防除効果(細菌病類、ばか苗病)を安定させるため、硬化初期までは10℃以下の低温とならないように管理しましょう。

(3) その他
極端な高温や低温、乾燥と過湿、及びその繰り返しは、さまざまな苗立枯病類(ピシウム・フザリウム・リゾープス・トリコデルマ等)の発生を助長します。
極端な管理条件にならないよう、きめ細かな温度・水管理を心掛けましょう。

 

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