一関地方は、岩手県の最南端に位置し、北上川流域の平坦部を挟んで起伏のある中山間地となっています。農業は水稲、畜産、野菜、果樹、花き等を組み合わせた複合経営等が行われています。

一関地方の小ぎく生産

一関地方は小ぎくの栽培が盛んな地域であり、令和元年度実績で、面積38 ha、生産者170名、販売額262百万円で、全国的に見ても夏秋期の大規模な小ぎく産地です。

小ぎく生産の始まりは、今から30年ほど前に現在の一関市東部(東磐井地域)で葉たばこの転換作物として導入されたのがきっかけです。

栽培の特徴として、ハウス栽培や露地トンネル栽培での早出し作型による作期拡大や、開花調節技術の利用による需要期出荷を目指した栽培が行われています。

その後、平成13年頃には生産者の増加や、収穫した花の長さを揃えて切断し、下葉取り、結束を行うフラワーバインダー等の機械導入による規模拡大により、栽培面積が飛躍的に拡大し、県内出荷数量の約6割を占める産地にまで成長しました。

しかし、近年は生産者の高齢化や生産コストの増大等が課題となっており、持続可能な産地に向けた取り組みとして、JAいわて平泉花き部会と関係機関が連携して、対策に取り組んでいます。

 

●主な活動内容

意向確認と対象者の決定

年度当初に、対象者候補と考える新規生産者と個別に面談し、意向確認と目標の確認を行います。

その後、JAいわて平泉花き部会、JAいわて平泉花き担当者と対象者を共有し、支援内容や研修会の開催時期の検討を行い、年間の支援スケジュールを作成しています。

経営目標の達成支援

対象者ごとに個別訪問を月1回程度行い、病害虫防除や育苗等、ポイントとなる管理技術について指導しています。

技術習得研修会の開催

年度当初に決定した年間スケジュールに基づき、研修会(花き栽培初心者セミナー)を7回程度開催しています。

本取組は、JAいわて平泉花き部会としても新規生産者の早期育成支援が重要であるという認識のもと、平成30年度から部会との共催で取り組んでいるものです。

研修会は重要な栽培管理時期に合わせて開催し、内容は作業実演を積極的に取り入れ、基本的な管理作業の理解や技術向上につなげています。また、講師を地域のベテラン生産者に依頼し、技術習得だけではなく、他の生産者との交流促進や情報交換の機会と位置付けています。


薬剤散布研修


 


親株の伏せ込み研修


個別実績検討、フォローアップ

令和元年度からの取り組みとして、対象者の出荷実績を取りまとめ、個別実績検討会を行っています。

実績検討会は、対象者とJAいわて平泉・一関農業改良普及センターの担当者による三者面談形式で開催し、出荷実績や目標達成状況により、次年度に向けた取り組みを確認しています。

個別実績検討会

個別実績検討会


今後の取り組み

今後、当地域の小ぎく産地を維持していくためには、担い手となる新規生産者の確保と育成がますます重要となっています。生産者と関係機関が同じ方向を向き、連携した支援活動を継続していきます。

(文:一関農業改良普及センター)

印刷用:2020年4月(一関)持続可能な産地に向けて~一関地方の小ぎく産地の取り組み~ PDF版