宮古市崎山で平成26年からりんごやももの栽培を行っている山崎慎弥さん(28歳)を紹介します。

慎弥さんの実家はりんごやもも、梨類を生産・販売する果樹農家で、物心がついた頃から「いつかは自分もりんごを作る」と考えていました。

県立盛岡農業高校卒業後に進学した同校特別専攻科在籍中に、盛岡の先進農家に住み込みで研修していたときのこと。これまで学んできたこととはまるで異なる果樹栽培の実際の現場に、「高校までの知識は基礎中の基礎でしかなかった」と衝撃を受けました。

もっと果樹に関する知識を深めたい、もっと新しい情報を得たい、という思いから同校特別専攻科を退学し、長野県農業大学校の果樹実科・研究科に進学しました。果樹実科・研究科は、教室が長野県果樹試験場の中にあり、県内外のりんごの品種や、ももの栽培について知識を深めることができました。

在学中から既に長野県で問題になっていた温暖化について、いずれ岩手県にも影響が及ぶことを確信し、宮古に戻ってから、高温条件でも着色と食味が良い品種への更新や、ももの栽培面積拡大を図る等、先進的な対策を実行しています。

果樹はお客さんに味がストレートに伝わる品目であり、味にこだわる価値があると考え、蜜入りの研究など、お客さんに満足してもらえる果実を提供することを念頭に栽培されています。

また、宮古地域のりんごの良さについて「樹の上でも硬さが長持ちするので、完熟した果実を提供できること」と力説します。

しかし、まだまだ宮古地域のりんごは知名度が低く、盛岡で試食販売を行った時も「宮古にりんごがあったの?」と言われ、悔しい思いをしたそうです。

宮古地域の果樹を盛り上げるために栽培面積や品種を増やしていきたいと考えているのですが、近年は台風や鳥獣害の影響も大きく、踏み切れないそうです。

それでも慎弥さんは「労力を抑えて、高品質の果実を多く得る」という目標を掲げます。

「今は叶わないかもしれないけれど、より高みを求めなければ変わることはない」と不屈の思いを胸に、今後もより良い果樹の生産を求め続けます。

 


山崎慎弥さん


 

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(文:宮古農業改良普及センター)