県全域に日照不足と低温に関する情報がでています。
■ 日照不足と長期間の低温に関する岩手県気象情報 第1号
岩手県では、6月25日頃から曇りや雨の日が多くなっており、日照時間の少ない状態が続いています。
また、7月12日頃からは気温の低い日が多くなっています。この状態は、今後10日間程度は続く見込みです(7月21日盛岡地方気象台発表)。

水稲


■ いもち病防除対策
  県内ではすでに葉いもちの発生が確認されており、また当面は曇雨天が続く見込みで、感染に好適な気象条件が繰り返されることも予想されます。
圃場をよく観察し、葉いもちの早期発見、早期防除につとめましょう。
 
(1)上位葉(止葉含む上位3枚の葉)に葉いもちの発生が見られる場合
晴れ間をみて、ただちに茎葉散布による防除を実施して下さい。
(2)穂いもち防除
  ア 予防粒剤でおこなう場合
   ・ 葉いもちを見つけた場合は、茎葉散布を事前におこなってから、予防粒剤を散布する。
→ すでに発生した葉いもちに対して、予防粒剤のみでは十分な防除効果が得られません。
・ 予防粒剤を施用する場合は、ラベル記載の防除時期を逃さないよう注意してください。
  イ 茎葉散布でおこなう場合
「出穂直前」「穂揃い期」の2回が基本です。ただし、次のようなケースでは、前記2回に加えて、穂揃い1週間後にも追加散布を実施して下さい。
・ 葉いもち(特に上位葉)の発生が目立つ場合
・ 穂ばらみ期以降の低温で出穂の遅れやバラつきが見られる場合
・ 出穂期以降に降雨が連続する場合

■ 障害不稔対策
 県内の水稲はまもなく、低温に最も弱い減数分裂期を迎えます(表1)。幼穂形成期から減数分裂期までは、幼穂を低温から保護することにより、小胞子(花粉のもと)の分化が促進され、障害不稔を防止または軽減できます。
(1)幼穂形成期前後(前歴深水かんがい)
・ 4~6cmの水深で管理し、減数分裂期に向けて10cmの深水にしてください。
(2)減数分裂期前後(深水管理の実施)
・ 低温が予想されるため、10cm以上の水深を確保してください。
・ 17℃以下の低温が予想される場合は、15cm以上の深水としてください。
→ 日中は止水し、水温の上昇をはかりましょう。
 
※ 低温の恐れがなくなった場合
・ 出穂前は、間断かんがいを基本としてください。
・   出穂・開花期は、湛水管理としてください。




畑作物


■ 大豆
降雨による湿害の発生が懸念されます。圃場内に滞水している場合は早急に排水し、根の健全化に努めます。中耕培土を実施していないところでは、圃場が乾き、作業が可能になったら、速やか に作業を行い生育量の確保に努めます。
また、追肥を行うことで、葉色や生育量を回復することができます。追肥には、速効性肥料を使用し、窒素成分で10aあたり2~3kg施用します。

野菜


■ 圃場周りの明きょを見直し、排水口の目詰まりが無いよう確認し、圃場からの排水を徹底します。可能であれば中耕を行い、根の活性化を図ります。
■ 果菜類では、日照不足により草勢が低下し、果実肥大の遅れや着色不良から着果負担が大きく、回復しにくい状態です。不良果は早めに摘果を行い、必要に応じて葉面散布や追肥を行い、草勢回復に努めます。
■ 多湿により病害が発生しやすいことから、防除を徹底し被害防止に努めます。羅病葉や羅病株は早めに除去し、防除間隔を開けすぎないよう晴れ間を見て薬剤散布を実施してください。
■ 施設では曇雨天後の強い日差しによる萎れや葉焼けを防止するため、きめ細かく遮光資材の開閉を行います。また、多湿による病害のまん延を防ぐため、施設内の空気循環や換気の徹底を図ります。

花き


■ 花き共通
・ 用水路の点検や明きょの設置等により、流入水対策を講じます。
・ 圃場内に滞水した場合は、溝切り等により速やかに排水します。
・ 雨天が続くと病害が発生しやすくなりますので、晴れ間を見て地域の防除暦等を参考に薬剤散布を行います。薬剤の相談は、所管の農業改良普及センターまでお願いします。
・ 施設栽培では、病害対策として換気扇や扇風機等を利用し、ハウス内の通気に努めます。
・ 施設栽培では、曇雨天後急激に天候が回復した場合、萎れや葉焼けを発生しやすいので、換気や遮光に留意します。
■ りんどう
・ 降雨が続いた場合、葉枯病、黒斑病の発生・拡大が心配されます。天気予報に注意し、タイミングを逃さずに有効薬剤を散布します。
・ 雨天時に収穫したものは、しっかりと乾燥させてから調製します。なお、茎を振って水切りすると、花の蜜が花や葉に付着して品質を低下させることがあるので避けます。
■ 小ぎく
・ 圃場に長期間滞水した場合、とくに萎凋症状が出やすいので、排水には十分留意します。
・ 降雨が続いた場合、白さび病の発生・拡大が心配されます。発生状況に応じた薬剤の選択が重要ですので、判断に迷う場合は農業改良普及センターまでご相談ください。
■ トルコギキョウ
・ 日照不足により、ブラスチングが発生しやすい状況となっています。不要な枝や蕾を早めに除去するとともに、曇天時は遮光資材を外して日照を確保します。
・ 降雨が続いた場合、灰色かび病の発生・拡大が心配されます。ハウス内の換気と扇風機等による通風によって、湿度の低下に努めます。また、有効薬剤の予防散布が効果的ですが、茎葉の濡れている時間を短くするため、晴天時の朝の散布が基本となります。

果樹


■ りんご
現在、来年の花芽形成期に入っており、日照不足による花芽形成の抑制が心配されます。また、多湿条件下で病害の感染・発生が懸念されます。日光や薬剤が樹幹内部まで通るように誘引や徒長枝の整理を行い、樹幹内部の受光体制の改善に努めてください。日照不足による光合成能の低下により果実肥大の鈍化も懸念されますので、生育不良果等を中心に摘果を行い、着果量を見直します。病害虫の防除は、病害虫防除所の発生予察情報や防除情報を参照し、園地の発生状況をよく観察して、適期防除に努めてください。
■ ぶどう
日照不足によりぶどうの成熟の遅れが懸念される場合は、新梢管理で棚面の明るさを確保するとともに、必要に応じて摘房等着果調整を行います。

飼料作物


■ 降雨が続く場合には、機械による収穫が難しくなったり、湿害等により生育不良を招く恐れがあるため、排水対策に努めます。
■ 多湿条件下でのサイレージ調製では、予乾牧草が高水分になりやすいため、生菌製材等の添加により、良質発酵に心がけます。

 

 

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