① リンドウホソハマキ越冬後幼虫が羽化するまでの有効積算温度200日度を目安とし、4月からの日平均気温(10℃以上)を積算することで、羽化始期および圃場における潜葉痕の初発時期を推定することができる。
② この有効積算温度200日度到達日から概ね1週間以内に防除を開始すると、本虫を効果的に防除することができる。


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県中南部における有効積算温度を用いたリンドウホソハマキの防除開始時期の予測

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1 背景
 りんどうの重要害虫であるリンドウホソハマキは、幼虫が残茎中で越冬し、5月中旬から6月中下旬にかけて羽化し、葉に産卵する。ふ化幼虫は潜葉した後、茎に食入する。県中南部では年3回発生し、重点防除時期は越冬世代の羽化時期である(図1)。
 この越冬世代の羽化時期は年によって変動することから、これまでは越冬後幼虫の個体飼育により羽化状況を観察調査し、防除速報を発表してきたところであるが、調査手法が非常に煩雑であった。そこで、新たな予察手法として、有効積算温度を用いて羽化時期を推定し、これに基づく防除開始時期の検証を行った。



2 有効積算温度を用いた越冬世代羽化時期および産卵・加害開始時期の推定
(1)アメダスデータ(北上)を用いて、4月から日平均気温10℃以上を有効温度とし、これを積算して200日度に達する時期は、越冬後幼虫の羽化始期(個体飼育による羽化率20%)と概ね一致する(表1左)。
(2)この積算温度に達する時期は、基準圃場(北上市)において産卵および潜葉痕が初確認される時期と概ね一致する。なお、この時期は生長部および茎部の被害は確認されなかった(表1右)。
(3)以上から、この積算温度を用いることで、越冬後幼虫の羽化始期および圃場における産卵および潜葉痕が初確認される時期を推定できる。



3 有効積算温度を用いた防除開始時期の決定
(1)県中部においては、有効積算温度200日度到達日から概ね1週間以内に防除を開始すると防除効果が高い(表2)。



4 発生予察への活用
(1)県中南部では、日平均気温10℃以上を有効温度とした有効積算温度200日度を用いて、越冬後幼虫の羽化始期および防除開始時期を予測する(表3)。
(2)県北部の羽化始期については検証していないが、今後、この有効積算温度と潜葉痕の初発時期や防除開始時期の関係を検証することにより、適期防除につながると考えられる。



<参考>
・千葉武勝(1989)リンドウホソハマキの発生生態について 北日本病害虫研究会報40:155-157
・リンドウホソハマキに対する数種殺虫剤の防除効果(追補) 平成26年度岩手県農業研究センター試験研究成果書 指導№18