◆ 子牛  外気温が下がってきました。防寒対策の準備をし、増体の維持を図るとともに、呼吸器疾病の発生を防止しましょう。

(1)防寒対策の目的
防寒対策が不十分だと、「体温維持のため体を震わせたり、被毛を伸ばしたりでエネルギーを余計に消費する」、「抵抗力が落ちるうえに冬場の乾燥とあいまって肺炎や風邪などの呼吸器系疾患にかかりやすくなる」などの状況に陥ります。子牛は、成牛と比較して皮下脂肪や筋肉が薄く、外気温の影響を受けやすいものです。生産性を落とさないためにも、防寒対策はしっかりと行いましょう。

(2) 防寒対策として気をつけること
牛体を濡らさないようにします。尿やこぼれた飲み水で身体が濡れていると、水分が蒸発する際に、気化熱として牛体から熱が奪われます。子牛の休息スペースに乾いた敷料を厚く敷くなどして対応します。水場や飼槽から少し離れた位置に休息スペースを設置することが大切です。
牛舎にすきま風が吹き込み、牛体に当たると熱が奪われます。できるだけスキマを塞ぎ、風が入らないようにしましょう。
人工哺乳をしている場合は、ミルクの調製から給与までに温度が下がることを考慮して、少し温度の高い湯でミルクを作りましょう。
カーフジャケット、ネックウォーマーやカーボンヒーターの利用も効果的です。ただし、カーフジャケットは、着っぱなしにせず、たまに洗ったり干したりするなど、衛生的に保ちます。
牛舎の一角をコンパネなどで囲ったり、カーフハッチを設置したりすると、そのスペースに牛が集まり、温度を確保できます。



(3)換気の重要性
寒冷対策として牛舎を閉めきってしまい、換気が不十分になると、尿などから発生したアンモニアが牛舎内に溜まります。アンモニアは刺激の強い物質であり、牛が吸引すると気管支粘膜を刺激し、ダメージを与えます。気管支粘膜は外界と牛体内を仕切る最重要防衛ラインですが、粘膜が弱くなることでウイルスなどの病原体が牛体に侵入しやすくなり、風邪や肺炎などの呼吸器病にかかりやすくなります。防寒対策で風を入れないようにと記載しましたが、朝方や暖かい時間を狙って換気をし、牛舎からアンモニアを追い出しましょう。また、牛体を冷やさない程度に換気扇を低速で回転させると、換気の効率が上がります。

(4)飼料給与量の増加
どれだけ防寒対策をしても、やはり冬季には体温維持に必要なエネルギー量は増加します。適切に飼料を増やし、増体に必要なエネルギーをしっかりと与えましょう。子牛の場合、牛舎内温度が-4℃の場合、適温時と比較して維持にかかるエネルギーが32%増加するといった知見もあります。
寒さが厳しい冬は、スターター給与で寒さに対する栄養を充足させることや、スターター摂取量、腹冷え防止に温湯給与が効果的です。

(5)観察⇒異常発見⇒対処を速やかに行いましょう
一旦呼吸器病が発生すると、瞬く間に同居牛に感染していきます。そうなると、治療の日々が続き、管理者の時間的、経済的、精神的な負担が増すだけでなく、増体が滞るなど、いい事は一つもありません。早めの異常発見、治療がカギです。エサを食べに来ない子牛がいないか、元気がない、耳が垂れている子牛がいないか、鼻水をたらしている、鼻が乾いている、咳をしている子牛がいないか、しっかりと観察をしましょう。
もし、異常な牛を発見したら、できるだけその牛を隔離し、「熱を測ってみる」「獣医師を呼ぶ」などの対応をとりましょう。また、子牛が共用している餌槽、給水槽の1日1回の掃除も衛生対策として効果的ですし、踏み込み消毒槽を活用するなど、消毒を徹底しましょう。



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