◆飼料作物
【牧草】
高温時には過放牧、過度の低刈り、短い間隔での刈取りを避けてください。
草地更新 秋播種にむけて、播種床を準備する時期です。耕起、砕土、整地作業は丁寧に行い、膨軟な播種床を作成します。最後の鎮圧作業は念入りに行います。
【飼料用とうもろこし】
低温や日照不足、降水過多による根の活性低下や肥料成分の流亡などにより、草丈が低く葉色が薄い圃場が見受けられます。トラクタが圃場に入れる草丈なら、追肥による生育回復を検討してください。
【大雨後の圃場管理】
圃場が水浸しになっている場合、溝切などでできるだけ早く排水します。
圃場内にゴミなどの流入物があれば取り除いてください。
◆家畜
乳牛:暑熱ストレスによるアシドーシスを防止します。乾乳牛も暑熱対策を実施します。

1 牧草
(1)2番草の刈取り時期は、1番草の刈取りからオーチャード主体草地で約40-45日後、チモシー主体草地で50-55日後を目安にします。
(2)暑熱時の牧草刈取りは高めに刈取る
高温時に過度の低刈りは、牧草の貯蔵養分を消耗させ秋以降の草勢に影響しますので、低刈り及び短い間隔での刈り取りは避けてください。
また、放牧地での過放牧も同様です。
刈取りを行う場合は、地際より10~15cmを残すように(握りこぶし1個分が目安)行います。
(3)降雨により採草圃場内に土砂が流れ込んでいるところがあります。刈取り前に見回りを行い、できるだけロ-ルに土砂が入らないよう作業を行い、酪酸発酵を防ぎます。収穫時に土砂の混入を避けるには、刈取高さを10cm以上の高めに設定する、テッダによる予乾作業をゆっくり行うほか、土砂が混入してしまうあるいは高水分で調製せざるえない場合は、ギ酸製剤か乳酸菌製剤の添加(ロールベ-ルに添加装置の取り付け必要)を検討します。
(4)草地更新(除草剤の播種日同日処理における播種床の作成)
 永年草牧草は、8月中旬から9月中旬を目安に播種しますが、播種の約30日前(7月中旬から8月上旬)に播種床を予め形成し、雑草を十分に生育させます。
雑草の生育状況をみて展葉が十分であれば、経過日数にこだわらず非選択性除草剤を散布します。
雑草が大きくなりすぎると播種や施肥作業の妨げになることがあります。
 前植生処理が未実施の場合は、速やかに非選択性除草剤を散布するか刈払を行います。
 耕起作業では、ル-トマットが確実に土壌と混和するよう十分な深さを確保します。耕起作業の良否が次の砕土・整地作業の精度に影響します。
 堆肥は、10aあたり5tを目安に散布します。炭カルなど土壌改良資材を必要量施用します。
 砕土・整地作業は、ル-トマットが確実に土壌と混和するよう、また、施用した堆肥や土壌改良資材が十分に土壌と混和するよう丁寧に行います。十分に砕土された膨軟な播種床は、牧草の出芽と定着を高めます。
 鎮圧は2~3回丁寧に行います。表土は硬くなりますが、牧草はきちんと出芽し、その後の定着や初期生育が改善されます。また、更新後の降雨による土壌流失を最小限にとどめることができます。



2 飼料用とうもろこし
低温と日照不足、降水過多による根の活性低下など、草丈が低く葉色が薄かったり黄色くなっている圃場が見受けられます。トラクタが圃場に入れる草丈なら、追肥による生育回復を検討してください。
(1)追肥量の目安 窒素1~2kg/10a(硫安ならば5~10kg/10a)
(2)葉が乾いた状態で散布します。茎と葉、葉と葉の間に窒素肥料が入ってしまった場合、一時的に葉に穴が開くまたは焼ける事例がありますが、その後の生育や収量には問題ありません。

3 土砂が流入するなど収穫が見込めない圃場について
草地更新や草地への転換、または年内に収穫可能な「エンバク」の作付けを検討します。エンバクの作付けは下記のとおり行います。
(1)ディスクハロー等で耕起を行います。圃場表面に前作残さが多く残らないように丁寧に作業を行ってください。
(2)化成肥料は、10aあたり窒素10kg、リン酸12(2)kg、カリウム10kgを目安に施肥します。草地化成212号だと50kgになります。※( )は土壌のリン酸含量が多い場合
(3)種子は極早生の品種を用います。播種適期は8月下旬で、10aあたり4~5kgの種子を散播します。播種後、軽く鎮圧し、出芽・定着を高めます。
(4)収穫時の留意点
播種後おおむね60日~75日で出穂しますので9月下旬から10月中旬が収穫時期になります。秋の収穫調製となり、原料草が乾きにくいため(茎がストロ-状であることから)、サイレ-ジの水分が高くなることがあります。できるだけ予乾をしっかり行うとともに乳酸菌製材の添加を検討してください。

2 乳牛への暑熱ストレスの影響を緩和
暑熱ストレスをうけた牛は反芻時間が少なくなるため、アシドーシスになりやすくなります。
(1)アシドーシス対策(搾乳牛)
最重要:暑熱期には給与飼料全体の粗飼料割合を下げてはいけません!!
穀物類を消化のよい粗飼料かビートパルプやマメ皮などに置き換えてやります。
その他、主な対策は下記のとおりです。
 嗜好性のよい、消化率の高い粗飼料を給与する
これによって乾物摂取量を高く維持し、粗飼料からより多くのエネルギーを得ることができます。
発生熱は繊維>デンプン(穀物)、脂肪ですが、粗飼料の消化率が高くなればルーメン滞留時間が短くなり、発生熱は少なくなります。
イ カサのない飼料をやりすぎない
粗飼料をビートパルプに置き換えるとカサがなくなり、一気喰いしやすくアシドーシスになりやすくなります。
 ルーメンpH低下を緩和するため重曹を増給または自由採食させる
重曹はルーメンでの発酵熱を抑制できるルーメンpH緩衝材です。飼料に混ぜたり、自由になめられるようにします(100~200g/頭/日を目安です)。

(2)乾乳期の暑熱ストレス対策
乾乳期は次泌乳期への大事な準備期間です。分娩後の産乳に備えて乳腺組織やルーメンの絨毛組織を再生させます。乾乳期間に暑熱ストレスを受けてしまうと、いくら良質な飼料を与えても食い込むことはできません。また、乾乳中にヒートストレスを受けた牛は受けなかった牛と比べて、乳腺細胞の増殖速度が低くなり、乳生産量が低下するという報告もあります。
また、最近の研究により、母牛の乾乳中暑熱ストレスは生まれてくる子牛の飼料摂取量や発育の低下、そして初産日乳量の低下まで長期的な影響を及ぼす可能性があることが指摘されています。
よって、暑熱ストレス対策は搾乳牛のみに気を配りがちですが、乾乳牛も同様の対策をとる必要があります。



 

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